2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330189
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
高橋 裕樹 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (80262286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 視線計測 / 視線ジェスチャ / サッカード / 視線尤度 / HMM(Hidden Markov Model) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,タブレット型コンピュータを想定した携帯デバイスのための視線インタフェースを検討する. 前年度は,ユーザの顔の位置や姿勢,および,携帯端末に付属したカメラ姿勢の両方が固定されていない状況下での視線計測手法について検討を行うとともに,視線ジェスチャを用いたページ操作支援手法を提案したが,ルールベースの視線ジェスチャ識別手法であったため,意図しない視線ジェスチャも識別するという問題が生じていた.また同時に,視線を用いた選択操作として,マウスのクリックに相当するタップを実現可能な視線操作手法についても検討を行った.特に視線特有のサッカードに着目し,スクリーンボタンを利用したインタフェースを実現し,従来手法と比較して誤選択を1/4に削減することが可能になった.しかし,選択対象領域内に視線が停留している時間に基づき確定的な判定をしているため,視線の微小な振動や視線計測における誤差によって選択対象が小さくなるに従い誤選択が多くなる問題点があった. 本年度は,前年度の問題点を解決するために次の2点に関して検討を行った.まず,視線ジェスチャ識別では,ルールに基づく視線識別に替え機械学習を用いることで視線動作に内在する特徴を適切に学習し,ジェスチャ識別が可能か検討した.学習機械にはHMM(Hidden Markov Model)を用い,視線の時系列変化および注視位置変化を入力とした視線ジェスチャ識別を行った.時系列変化に対しては充分な識別精度を得ることができなかったが,注視位置変化を入力とした場合,精度が向上した.また,選択操作では,注視位置を直接利用するのではなく,時間による重み付けをした注視尤度を定義することで選択対象が小さくなっても安定した選択を行う手法について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,タブレット型コンピュータにおける視線を用いた操作を想定し,タップ,ドラッグ,および,フリックが実現可能な視線操作手法の検討を目的としている. 平成26年度までに,タップに相当する対象選択操作手法の検討,および,フリックに相当するページ操作を中心に検討を行った.平成26年度には,平成25年度で明らかになった次の2つの問題点を解決するための検討を行った.(1) ルールベースの視線ジェスチャ識別に起因する意図しない視線ジェスチャの誤判別への対応.(2) 選択操作における確定的な選択対象決定に起因する誤操作判定への対応. (1)に関しては,ルールに基づく視線識別に替え機械学習を用いて視線動作に内在する特徴を適切に学習することで,ジェスチャ識別が可能か検討した.学習機械にはHMM(Hidden Markov Model)を用い,視線の時系列変化および注視位置変化を入力とした視線ジェスチャ識別を行った.時系列変化に対しては充分な識別精度を得ることができなかったが,注視位置変化を入力とした場合,視線ジェスチャ識別精度として約85%を得ることができた. (2)に関しては,注視位置を直接利用するのではなく,時間による重み付けをした注視尤度を定義することで選択対象が小さくなっても安定した選択を行う手法について検討した.その結果,通常用いられている携帯デバイスのアイコンサイズの選択精度として約75%を得ることができた.時間による重みに加え空間的な重みを適切に設定することができれば,選択精度の向上が期待される.しかしながら,現状では,計算量が多いためオフライン処理での実験に留まっている. 目的に挙げた3つの操作中,2つの操作手法について検討を行い,利用が期待できる精度が得られているため,おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には,これまでに課題として明らかになった点を踏まえ下記の検討を行う. (1) 視線ジェスチャを用いた操作については,ページが切り替わるページ操作に加え,ページがスムーズに移動するフリックへの拡張,および,タップやドラッグに相当する操作も含めた操作の識別手法について検討を行う. (2) 選択操作に関しては,まず,リアルタイム処理の実現を目指すとともに,操作性に関する検討も行う予定である. さらに,これまでに充分検討できていなかった(3)頭部の自由動作を許容した場合についても検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた視線計測装置NUIA(Narutal User InterAction) eye charmが結局発売が延期されたままになり,現状,当該企業から提案されている代替品であるTobii EyeX Controllerを特別価格で購入して利用している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
NUIA eye charmが発売された場合,購入を予定している.
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Research Products
(3 results)