2015 Fiscal Year Annual Research Report
高精細度画像が与える奥行き感の実験的解明とその応用
Project/Area Number |
25330196
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
矢野 澄男 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (30466239)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高精細度画像 / 奥行き感 / 調節応答 / 主観評価 / フォトレフレクション法 |
Outline of Annual Research Achievements |
高精細度画像がもたらす奥行き感に関する検討を調節機能から探った.この検討では,一つは,高精細度画像の奥行き感を,主観評価と調節応答測定により評価実験を行い,その特性の解明を試みた.他の一つは,フォトレフレクションを原理とした両眼の調節応答を測定可能な装置の試作を行い,その測定機能を試みた. 高精細度画像の表示装置として,4.8inch HTDVフォーマットのLCD(オルタステクノロジー製)を用いた.この表示装置を用いて,高精細度画像の観視時の調節応答を測定した.実験では,視距離120cm, 100cm, 80 cm, 60cmで,それぞれ60-10cpd,50-10cpd,40-10cpd,30-10cpd(10cpdごと)の正弦波パターンを表示し,調節応答を測定した.空間周波数を要因とする分散分析では,視距離120cmの場合で有意差が認められた.一方,シェッフェの一対比較法による主観評価実験では,視距離120cmで60-10cpd(10cpdごと)の正弦波パターンに関して,奥行き感の評価をおこなった.その結果,40cpd以上での有意差は認められなかった.これらの結果から勘案すると,高精細度画像では,40cpdまでは,知覚されるが,それ以上の空間周波数での差異の検出は困難を伴うと推測される. また,フォトレフレクションを原理とした両眼調節応答測定装置の試作をおこなった.試作装置を用い,平面画像を観視している時の両眼調節応答を測定し,優位眼,非優位眼の差異の検出可能なことを確認した.今後,高精細度画像の調節応答の研究に展開していく予定である.
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