2015 Fiscal Year Research-status Report
高精度両眼立体視手法の高速化および応用に関する研究
Project/Area Number |
25330197
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水上 嘉樹 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (60322252)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 距離計測 / 平面スイープ / 複数画像 / 特徴抽出 / 平面検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
既に提案している高精度な両眼立体視手法は左右画像を想定したものであったために、複数画像に基づいた三次元再構成への適用可能性が議論できていなかった。そこで、平成25年度は、三次元空間に存在する平面領域を検出するための手法を提案し、実写画像に基づいた性能評価を行った。 複数画像に基づいた三次元再構成における主要な従来技術として、バンドル調整と平面スイープがあげられる。前者は撮影画像集合に含まれる特徴点群の画像座標とカメラのレンズモデルに基づいた反復計算を行い、特徴点群および複数カメラの相対空間座標を求めるものである。後者は基準カメラの視線方向に垂直に設置された仮想スクリーンに他のカメラ画像(比較画像)を投影して、基準カメラに対する仮想スクリーンの距離を変えながら基準画像と参照画像の間の誤差分布(コストボリューム)を計算し、基準画像上の画素毎の最小誤差を与える距離を採用するというものである。 本研究では平面スイープを行う際に、基準カメラの視線方向に垂直に仮想スクリーンを設定するのではなく、空間中の物体の平面に水平になるように仮想スクリーンを設置することを試みた。同様の着想はGullupら(2007)およびWernerら(2002)によって提唱されているが、これらの研究では対象である建築物に関する形状知識を前提としている。一方、提案手法では、特徴点間の輝度情報に基づいて連続線分を推定した後に、平面検出を行っているために対象物体の形状知識を必要としない。 屋内の机上物体を対象とした実験、および、屋外の建築物を対象とした実験を行い、提案手法の有効性を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実写画像は光学的雑音(光の反射具合、露出過度や不足)を有するために、高精度に画像を対応付けるためには雑音に対して頑強なアルゴリズムを構築する必要がある。現時点では、この雑音に対する頑強性が十分に確保できていないために、当初予期していた測定精度を確保することに苦慮している。今後、雑音に対して頑強な画像特徴量の選択、および、それらの改良を行うことで雑音に対する頑強性を確保する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
【現在までの進捗状況】で述べたように、実写画像に含まれる光学的雑音に対する頑強性を確保することが、本研究課題で期待される成果を出すための最重要課題と認識している。近年注目されているSIFT特徴やSUFT特徴といった高度な特徴だけでなくSobelフィルタやラプラシアンフィルタといったプリミティブな特徴量計算手法についても検討を行うこと、さらには、得られた誤差分布に含まれる雑音を削除するためのフィルタリング処理についても検討を継続することで、複数画像に基づいた高精度かつ頑強な距離測定手法を提案していきたい。
|
Causes of Carryover |
消耗品(パソコン周辺機器)の発注時に想定した価格と入札価格の間に若干の開きがあったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該金額234円については、次年度購入予定の計算装置の経費として使用する。
|
Research Products
(3 results)