2015 Fiscal Year Annual Research Report
TPOを選ばない個人の頭部伝達関数の取得方法の研究
Project/Area Number |
25330202
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
高根 昭一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (90236240)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 頭部伝達関数 / HRTF / TPO / 主成分分析 / 主成分 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,個人の頭部伝達関数(HRTF)を得る方法として,反射のある空間で測定されたインパルス応答を基に,反射のない空間で得られるHRTFを推定する方法を検討した.過去のARモデルに基づく推定手法では精度に問題があったので,それとは異なるアプローチをとった.具体的には,既に得られているHRTFのデータを主成分分析して主成分を抽出し,反射のある空間で得られたインパルス応答のうち直接音成分とみなせる部分から,主成分への重みを推定するという方法をとった.その結果,個人により推定精度が異なるなどの細かな問題は残ったものの,物理的には十分な精度で推定が行えることがわかった.この成果については学会で発表を行ったが,学術論文として公表する予定である. 上記の検討の基礎として,HRTFの音源位置や個人による変化を主成分分析に基づいてコンパクトに表現する方法について,平成26年度から検討してきた.その成果は本年度に公表された.その過程で,新たな主成分分析の方法を考案したので,それについても論文を公表する予定である. 上記は,TPOを選ばないHRTFの取得方法のうち,主にP(Place)とO(Occasion)の制限を小さくするものであるが,T(Time)とOの制限を緩和する方法として,HRTF測定アプリケーションを開発してきた.これについては,研究室内でテストを行っているものの,まだ公表には至っていない.タブレット端末やスマートフォンを用いたものとして,公表する予定である.
|