2014 Fiscal Year Research-status Report
模倣音声による詐称攻撃に対して頑健な話者照合の研究
Project/Area Number |
25330206
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
岩野 公司 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (90323823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 浩一 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (10343097)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 話者照合 / 模倣音声 / 詐称攻撃 / 話者認識 / 個人認証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,音声による個人認証(話者照合)において,模倣による詐称攻撃が話者照合システムに及ぼす影響の分析と評価を行い,詐称攻撃に対して頑健な話者照合手法の提案・検討を行うものである. 平成26年度は,まず,本研究課題で構築を行っている模倣音声データベースの拡張を行った.平成25年度に,模倣に関する特殊な技能を有さない一般の大学生(男性6名,女性6名)を被験者とした模倣音声の収集を行ったが,「模倣のうまさ」の評価が予想以上に低かった.そこで,被験者の模倣のスキルをできるだけ向上させた状態における模倣の攻撃力を調査するため,被験者に「模倣のうまさ」をスコアとしてフィードバックしながら音声を収録できる「模倣支援機能つき音声収録システム」を構築し,それを利用した音声収録を行った.被験者は男性6名であり,前年と同様に約3週間にわたる継続的なデータ収録を行った. 次に,GMM-UBM法に基づく話者照合を実装し,これまでに構築したデータベースを用いて,模倣攻撃によってどの程度照合の性能劣化が生じるかを調査した.25年度収録データを用いた実験では,模倣による照合誤り率の上昇は,男性被験者で0.56%から1.02%,女性被験者で3.33%から3.89%であることが確認された.また,26年度収録データを利用した実験では,訓練を行っていない模倣により誤り率が1.33%から3.54%に上昇し,訓練を行った場合にはさらに誤り率が4.44%まで上昇することが示され,訓練による模倣攻撃力の上昇が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースの拡充については,模倣支援機能つき音声収録システムを利用した音声収録が増えたため,当初予定していた被験者(男性6名,女性6名)を男性6名のみに減じてデータ収録を実施した.ただし,構築データベースの規模は当初計画と同じである.GMM-UBM法に基づく話者照合システムの構築と模倣発声の攻撃力調査についても当初計画通り遂行した.上述した音声収録システムの構築が今年度作業に追加されたため,基本周波数を利用した照合システムの構築と影響評価は実施に至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,当初の計画通りにプロによる声帯模写の発声データの収録を行い,これまでに構築した話者照合システムを利用して,その模倣音声の攻撃力の分析を実施する.また,模倣攻撃への対抗手法を組み入れた話者照合システムの提案を行い,その評価を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
平成26年度単年度では,ほぼ計画通りの予算執行額となったが,平成25年度に発生した余剰金を全額は使用しなかった(一部は,音声収録システム構築のための人件費として使用)ため,次年度使用額が発生している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
形態模写のプロへの作業依頼に,当初予定よりも高い金額が必要になる可能性があるため,その費用に充てる予定である.
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