2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on robust speaker verification against spoofing attacks by voice imitation
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25330206
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
岩野 公司 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (90323823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 浩一 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (10343097)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 話者照合 / 模倣音声 / 詐称攻撃 / 話者認識 / 個人認証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,音声による個人認証(話者照合)において,模倣(声真似)による詐称(成りすまし)攻撃が話者照合システムに及ぼす影響の分析と評価を行い,詐称攻撃に対して頑健な話者照合手法の検討を行うものである. 平成28年度は,プロの物真似タレント(以降,「プロ」)と素人の模倣発声を用いた「模倣行為による音声特徴量の変動の分析」について,新しい分析手法の提案を行った.具体的には,模倣行為者と模倣対象者の地声と模倣行為者の模倣発声のケプストラム特徴量をそれぞれ混合正規分布でモデル化し,それぞれのモデル間の距離をカルバック・ライブラー情報量に基づいて算出し,比較する手法である.分析結果は,前年度までに得られた照合システムに対するプロと素人の詐称攻撃力の傾向と一致し,その妥当性を示すことができた. 研究期間全体を通した成果としては,GMM-UBM法に基づいて構築した照合システムに対する模倣攻撃の分析により,1.素人の模倣であっても,照合システムの詐称者受理率は数%上昇し,実用上無視できない影響を与えること,2.普段から鍛錬を行っているプロの模倣攻撃力は,素人に比べ有意に大きいこと,3.素人であっても継続的な訓練を行うことでその攻撃力が向上すること,が明らかになったことが挙げられる.また,4.模倣発声の照合システムへの攻撃力を,実際のシステムを構築する必要なく,推定可能な分析手法を提案したこと,その手法により,5.素人は模倣によって自身の声の特徴を大きく変動させてはいるが,対象者の声質には近づかないこと,6.プロは素人ほど声質を変化させなくても対象者には確実に近づき,自身と対象者間の声の距離を7割程度にまで縮めること,が明らかになったことも成果として挙げられる.特に,物真似の対象者として共通の人物を設定し,素人とプロの模倣攻撃力を調査・分析したことは本研究の独自の成果である.
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Research Products
(3 results)