2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330219
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
松村 寿枝 奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (70390482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 洋明 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (60362836)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 疲労 / 音声 / 疲労度 / 疲労測定指標 / 疲労推定システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来の疲労測定指標では難しかった疲労の推定を発話音声のみから客観的に行う疲労推定システムの開発を目指すものである。提案指標である音声分析による指標(以下、音声指標:音声の平均パワー、継続時間長、基本周波数の平均)は、従来の疲労測定指標に比べ被験者への負担が少なく、簡便な手法である。本研究では、提案する音声指標の有効性を示すために、作業負荷時の従来の疲労測定指標による疲労測定と提案する音声指標による疲労測定を行う。 平成26年度は、幅広い年齢層の人が利用する自転車乗車を作業負荷とし、安全性を確保するため自転車シミュレータを用いた被験者実験を行った。この被験者実験では、30分、60分、90分と負荷時間のみが異なる負荷の前後で、疲労測定指標の変化を考察した。被験者 は、健康な16歳から21歳の男性12名~14名で、同質一集団である。疲労感のアンケートの結果から、3種類の負荷とも負荷前後で疲労感は上昇した。また、心理反応指標である自覚症状しらべから、「目の疲れ」、「身体の違和感」を感じる被験者が多かった。更に、3種類の負荷前後において、いくつかの発話音声の音声指標で有意な差が得られることが認められた。これは,疲労時の音源特性によるものと考察された。一方で、生理指標の加速度脈波の一部を除き、フリッカー値や唾液アミラーゼ活性などの生理指標や他の行動反応指標などの従来の疲労測定指標において負荷の前後で有意な結果は得られなかった。 提案する音声指標は,従来の疲労測定指標に比べて、乗り物の運転などに急性の疲労状態で有効な疲労測定指標の1つになりえると考えられる。 上記の状況を踏まえて、疲労時の音声指標の定量化を目指し、実験状況を変更した被験者実験の実施、実験結果を利用したシステムの作成・評価を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の被験者実験結果から、作業負荷を自転車シミュレータに限定し、平成26年度は被験者実験を多く実施することができた。それぞれの被験者実験の結果から、生理指標、心理指標、行動反応指標を収集し、結果を考察することができた。また、結果を論文等にまとめて発表の準備をしており、おおむね予定通りに進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の実験結果から自転車シミュレータ使用時の従来の疲労測定指標と音声指標について検討ができているので、他の作業負荷でのそれぞれの指標の関係性の検討を考えている。 追加で被験者実験を検討している。また、上記結果を反映したシステムの作成・評価実験についても実施予定である。
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Causes of Carryover |
外部との打ち合わせ等にテレビ会議ができるアプリを使用したり、電子メールを使用したことで費用の削減ができた。また、被験者実験の際の被験者募集の時期が長期休みやテスト期間中などと重なり、被験者数が当初想定していた人数より少なかったことがあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加の被験者実験や作成したシステムの評価実験への謝金に使用することを考えている。更に成果発表のための学会参加、論文作成等への使用を計画している。
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Research Products
(1 results)