2014 Fiscal Year Research-status Report
授業振返りを支援する授業実施中に取得した情報を映像と共に閲覧できるシステムの開発
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25330228
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
加藤 直樹 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 准教授 (00313297)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペン入力 / タッチ入力 / 教員養成 / 授業記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
・本研究では,ペン入力インタフェースの高度化とその利活用,及び,情報通信技術を用いることによる教員養成の高度化を目指した研究の一環とし,教員養成の質的向上を目標として,授業の振り返りの際に,授業参観者が参観時に記録した評価や指導事項を始めとして授業実施中に取得した情報を,授業風景映像に合わせて閲覧できるシステムの開発を進めている. ・26年度には,25年度に引き続き,一昨年度に開発した指導案をベースにメモを書き込む形態に加え,白紙に一言のメモを書き込む形態,写真を撮影しその上にメモを書き込む形態について研究を進めた. ・白紙に一言のメモを書き込む形態として,スレート端末の8インチ画面にタッチ入力でフリーハンドのメモを取ると,その記録時刻に合わせて授業映像上に表示される記録・閲覧システムの開発を行った.フリーハンドのメモだけでなく写真を撮り記録することも可能としている.そして,予備的評価として,開発したシステムを実際の教育実習の場で使用した.この成果は,情報処理学会インタラクションで報告し,また,教育工学会論文誌に投稿した. ・写真の上にメモを書き込む形態については,スレート端末で写真を撮り,その上にメモを書くことができる記録ツールの開発を行った.このツールでは,他の参観者の評価観点を知ることで,自らの観察を深めることを期待して,参観者同士でメモを共有する機能を組み込んだ.この成果は,情報処理学会全国大会で報告した. ・また,関連研究として,ICTを活用した授業環境の研究を行い,ヒューマンインタフェース学会ヒューマンインタフェースシンポジウム,情報処理学会インタラクションで報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・26年度の研究計画では,「各メモスタイルに適した閲覧ツールの設計・開発」,「評価記録ツールの利用と改善」「参観者のメモ以外で授業実施中に取得できる情報の可能性の検討」,「参観者同士のコミュニケーションを活性化することの可能性の検討」の四項目をあげていた. ・一項目目としては,一昨年度に開発した指導案をベースにメモを書き込む形態に加え,白紙に一言のメモを書き込む形態と写真を撮影しその上にメモを書き込む形態に対応した閲覧ツールを設計,開発した.二項目目としては,白紙に一言のメモを書き込む形態のツールについて実際の教育実習において活用し,その結果をもとに改善を行った.三項目目については,映像やメモに加え参観者の視点を記録することが重要であろうとの視点から写真情報の可能性について検討を行った,四項目目については,写真の上にメモを書き込む形態のツールに機能を組み込んだ.
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Strategy for Future Research Activity |
・27年度の当初計画では,「評価記録ツール,閲覧ツールの利用と改善」「参観者のメモ以外で授業実施中に取得できる情報の可能性の検討」の二項目をあげていた. ・これまでの評価記録閲覧ツールを,本学学生による教育実習,附属学校や近隣の学校での研究授業において利用し,改善点の洗い出し,再設計,再開発のサイクルを繰返して完成度を高めていく.なお,教育実習での利用が行えないということは想定されないが,教育実習の時期以外や,なんらかの障害で教育実習での利用が困難になった場合は,本学学生の模擬授業等での利用を通した評価を行う. ・前年度における,参観者のメモ以外で授業実施中に取得できる情報の可能性の検討,参観者同士のコミュニケーションを活性化することの可能性の検討を受けて,「授業の振り返りの際に,授業参観者が参観時に記録した評価や指導事項を始めとして授業実施中に取得した情報を,授業風景映像に合わせて閲覧できるシステム」の追求として,評価記録ツール,閲覧ツールの拡張を試みる.
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Causes of Carryover |
26年度に行った実験は比較的小規模であったため,既有する機材を利用するでまかなうことができた.そこで27年度に実施する実験で利用する機器は最新のものを利用できるように次年度使用にまわした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用とした助成金は,5月中旬までに実験用機材(50万)を購入する. 27年度分として請求した助成金については,実験用環境を構築するための機器の購入を行う,加えて,日々の研究遂行のために記録メディア,論文別刷りの購入費を消耗品として,及び,授業実践現場からのインターネット接続のための通信費,購入した機器が故障した場合の修理費をその他として,さらに,都内開催(3日間),地方開催(4日間)の学会での発表を予定しており,それぞれ成果発表旅費として使用する.
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Research Products
(5 results)