2014 Fiscal Year Research-status Report
ユーザ割り込み拒否度推定に基づく人と共生する情報エージェントの開発
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25330229
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 貴紘 名古屋大学, 未来社会創造機構, 講師 (80451988)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユーザ状態推定 / 割り込み / HCI / HAI / ヒューマンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度に実施する実験デザインに関する議論を行い,情報エージェントに主タスク(存在することが室員に納得される,有益なタスク)を定義し,主タスクを行っていない時間帯に室員とインタラクションを行い,印象等の観察・分析を行う設計とした.
上記,実験デザインを踏まえ,H25年度計画にて開発した秘書エージェントをベースに,H26年度は情報エージェントの開発を進めた.まず,情報エージェントをサーバ・クライアントモデルのシステムに変更し,エージェントがエージェント用サーバと室員の作業用PC(開発クライアントをインストール)間をネットワークを介して移動することを可能とした.次に,H25年度に提案した,頭部運動を考慮した割り込み拒否度推定エンジンを,本エージェントに実装し,ユーザの拒否度推定機能を有するエージェントを実現した.さらに,情報エージェントの室内移動機能の実装を行った.各室員の拒否度推定値はサーバに集約され,この拒否度推定値を元に,情報エージェントがどの室員のPCへ移動するかを決定する機能を実現した.主タスク以外のインタラクションを行う際は,この拒否度を元に,拒否度の低い室員のPCをできるだけ選択し,話し掛け等のインタラクションを開始するよう設計した.
また,室員と共生する情報エージェントは,室内に1つのみ存在することを前提とする.そのため,矛盾なく各PC間を移動したり,室内のある個所に滞在したりする状態を表現する機能をエージェント用サーバへ実装した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エージェントの基幹技術である,割り込み拒否度推定機能に関して,2つの論文が国際ジャーナルに採録された(International Journal of Human-Computer Interaction, IEICE Tran, on Information and Systems).また,H27年度の実験に向け,他大学の研究者から協力頂けることを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)人―エージェント間のインタラクション機能の実装を行う.情報エージェントは,室員の拒否度に応じて,室員に話しかけ,情報収集を行う予定である.また,収集した周辺情報は,ユーザに求められた場合に,個人情報に配慮した上で提供する予定である. (2)中長期的な人とエージェントの共生実験の実施を行う.(1)にて試作した情報エージェントを,学生の居室など,普段数人の室員による共同生活・共同作業が行われている空間に設置し,実験的に数ヶ月間の人―エージェントの共生状態を作る.その間,各種データ(各室員の拒否度変化,収集した周辺情報,人―エージェント間のインタラクション頻度,室員のエージェントに対する印象・評価など)を収集・分析する.
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Research Products
(10 results)