2013 Fiscal Year Research-status Report
遠隔操作用油圧パワーショベルの高精度力覚提示法の開発
Project/Area Number |
25330233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 宏尚 岐阜大学, 工学部, 教授 (80240034)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 力覚提示 / 遠隔操作 / 油圧 / 建設機械 / パワーショベル |
Research Abstract |
本研究では,汎用的なパワーショベルに小規模な改良を加えることで,力覚フィードバックを可能とし,操作の際に生じる微妙な作業反力を操作レバーおよび各種情報により作業者にフィードバックするとともに,対象物を破壊せずにハンドリングするための力覚提示・制御法に関する研究を行った.本システムでは,油圧シリンダの圧力信号に基づき,作業対象物からの反力の計測を行うが,油圧シリンダの摩擦力が操作者にフィードバックされると不必要な反力により操作性が損なわれるため,摩擦力の影響を精密に補償する方法を開発し,柔らかい(あるいは脆い)対象物を潰したり壊したりせずにハンドリングするのに十分な精度の確保することを目標に研究を行った.制御手法の面ではこれまでマスタ・スレーブ制御で基本となる位置-位置制御(操作レバーの位置変位に対して,油圧シリンダの位置が対応して変位する)であったが,パワーショベルで汎用される位置-速度制御(操作レバーに一定変位を与えると,油圧シリンダが一定速度で動く)を用いる制御系として再構築した.これにより,油圧ショベルとして一般的な操作体系となるため,多くの操作者にとって扱いやすいインターフェースとなった.また,上記システムの制御特性について詳細に検討するため,数学モデルを構築し,それに基づく動特性シミュレーションを行い,実験と比較しながら硬さ・脆さの異なる作業対象物の把持実験を行い,操作レバーに適正な反力提示が可能かどうかについての性能評価を行い,開発した制御法の有効性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パワーショベルの油圧シリンダ内の圧力信号に基づき一般的な操作体系に基づく力覚フィードバックを実現し,数学モデルに基づく解析との両面で開発した制御法の有効性を検証できた.
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Strategy for Future Research Activity |
パワーショベルの操作レバーへの微妙な作業反力の提示が可能となったことから,今後は操作レバーからの力覚フィードバックを必要最小限に抑えつつ,対象物からの反力に基づく聴覚情報およびAR(Augmented Reality:拡張現実)を用いた視覚情報をフィードバックすることで,微妙な力覚の認識と操作性の両立を可能にする手法について検討するとともに,その有効性について行動的指標,主観的指標等によって評価を行う.
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