2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
村田 嘉利 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (80444925)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自動車 / 操縦 / 操縦インタフェース / 障がい者 / 曲げセンサ / ジェスチャ / ジェスチャオペレーション / ドライビングシミュレータ |
Research Abstract |
計画では障害者向け自動車操縦インタフェースに利用する曲げセンサとして、透明圧電素子フィルムを考えていた。入手したが、積分回路が思うように実現できる、利用できなかった。そのため、他の曲げセンサを探したところ、FlexSensorというTVゲーム機の入力装置に使っている曲げセンサが見つかった。このセンサを利用し、指および手首用の治具を開発すると共に、それを制御ボードであるArduinoに接続し、これまでの研究で利用していたドライビングシミュレータに接続を完了した。それを利用して操縦性能の特性を測定し、その結果を情報処理学会 第76回全国大会で発表した。 また、それと並行して、指、手首および腕および上腕による操作について研究を行い、科研費採択前に発表していた論文がジャール化するように推薦されていたことから、そのジャーナル論文に研究内容を反映させ、電子出版された。 利用したFlexSensorは性能面で個体間のバラツキが多いことが分かったため、公益財団法人 電磁材料研究所の歪センサを利用できるよう契約を結んだ。 MODI社と打ち合わせを行い、電気自動車PIUSのステアリング、ブレーキおよびアクセルをコンピュータあるいはラジコンにより制御可能とするアクチュエータの仕様を決定し、PIUSおよびアクチュエータを発注した。平成25年度の5月末に納入予定である。 平成26年度になってしまったが、上記の研究成果が、NHK盛岡放送局の「おばんですいわて」(5月7日放送)で紹介された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は、曲げセンサとして村田製作所の透明圧電素子フィルムを利用することを考えていた。入手はしたが、その取扱いが難しかった。しかし、遅延することなく、新たなセンサ(FlexSensor)を見つけ出し、目的を達成した。但し、個体間のバラツキがあるため、公益財団法人 電磁材料研究所のセンサを利用する契約を取り交わした。 操作治具、ドライビングシミュレータを利用した操縦性能の確認、電気自動車PIUSとそれに取り付けるアクチュエータの発注も予定通り完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに研究が進んでいることから、26年度についてはほぼ予定通り進める。 (1) 実車の組み立て:研究開発用電気自動車PIUSは組み立てキットであることから、その組み立てを行う。続いて、前年度発注したアクチュエータを組み付ける。続いて、操作治具を結合する。昨年度の段階では、操作治具からの関節の曲がり角度の情報は、インタフェース変換用のコンピュータにおいてドライビングシミュレータへのインタフェースに変換されていた。今年度は、インタフェース変換用のコンピュータのプログラムをアクチュエータの制御用の信号を出力するように変更する。並行して、センサと操作治具と公益財団法人 電磁材料研究所と共同開発したものに変更する。 (2) 操縦性能評価データ取得準備:評価項目であるレーン逸脱率と直進安定性の測定を行う。測定方法は、測定コースやGPS端末の高性能化等を踏まえ、適切な方法を選定する。 (3) 実車による操縦性能評価:上記の(1)から(4)で、実車を利用した実験評価が可能な状態になったことから、実車における操縦性能の評価実験を行う。この段階では、開発した操作治具を利用して手首でステアリング操作を行い、アクセルとブレーキは通常の右足で行う。実施に当たっては、安全を第1に実施する。具体的には、ヘルメットの着用の他、走行速度の上限を設定しておき、操縦ミスをしても事故につながるようなスピードはでな いようにする。既存のハンドル、アクセルおよびブレーキをそのまま残すことにより、いつでも既存の操作系に切り替えて、運転可能とする。また、他車との衝突をさけるため、構内の一部を借用し、閉鎖された環境を実現する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初電気自動車PIUSの購入価格として120万円を想定していた。契約に際して、本体が150万円となり、その他にアクチュエータを取り付けるための加工賃等が発生し、最終的に236万円となった。差額である110万円を確保するため、平成25年度における消耗品については学内の他の研究費を利用したり、旅費については大学側で出来る限り打ち合わせをするなどして、必要最小限の支出に抑えた。アクチュエータについても他の研究費での支出に変更する。 平成25年度の交付額と合わせた255.6万円の内、PIUS本体に236万円を使用する。残りの約20万円は人材派遣費の一部に充当する。 それ以外の必要経費は、私が有する他の研究費で賄う計画である。
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Research Products
(3 results)