2014 Fiscal Year Research-status Report
異文化体験シミュレーションによる人工的雰囲気の生成とインタラクションデザイン
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25330243
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
片上 大輔 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (90345372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 克己 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60293073)
湯浅 将英 湘南工科大学, 工学部, 講師 (80385492)
大村 英史 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, 研究員 (90645277)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人工的雰囲気 / 異文化体験 / インタラクションデザイン / 雰囲気工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,擬人化エージェントと人間との間の集団の雰囲気に着目し,人工的雰囲気のモデル化と集団の雰囲気の創出を行うことを目的としている.2年目の本年は,昨年度に考案した人間の感情に影響を与える異文化体験シミュレーションを実装し,人工的に集団の雰囲気を形成するシステム環境を構築することを目標として,前年度に納入したPC Chair Emperor1510やPC小型ディスプレイなどの設備を用いて,3名の擬人化エージェントが人間と対話形式で異文化体験を行う,これまでとまったく異なる新しい異文化体験システム「異文化体験の国:Country of Cross-Culture」を完成させた. 従来の異文化体験ゲームBARNGAなどでは,基本的にゲーム中に会話を行うことができなかったが,構築した異文化体験システム「異文化体験の国:Country of Cross-Culture」では,会話を行いながら異文化を体験できるシステムとなっている.今年度の成果として,システムを用いた18名の実験参加者による実験により,集団の効果による影響とBARNGAと同じ異文化体験効果を検証し,複数の擬人化エージェントによる集団圧力の効果と,昨年度に130名の実験参加者の調査をまとめたBARNGAと同様の異文化体験効果を確認することができた. これは,擬人化エージェントを用いた会話システムにより,人間によって形成される議論の雰囲気と同様の効果を,人間に対して実現したことを示しており,特筆すべき点であると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画に従い,本年は,昨年度に考案した人間の感情に影響を与える異文化体験シミュレーションを実装し,人工的に集団の雰囲気を形成するシステム環境を構築することを目標として,前年度に納入したPC Chair Emperor1510やPC小型ディスプレイなどの設備を用いて,3名の擬人化エージェントが人間と対話形式で異文化体験を行う,新しい異文化体験システム「異文化体験の国:Country of Cross-Culture」を完成させた.共同研究者との打ち合わせや,研究調査などにも力をいれ,計画はおおむね順調に進展しているといえる.集団雰囲気のモデル化については,共同研究者と議論中であるが,予想よりも定義が難しい研究テーマであり,少し時間がかかっているので,今後力を入れていく.
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Strategy for Future Research Activity |
異文化を体験しゲーム中の人間の判断や行動に対して示唆を得ることのできる教育目的システムのために人間とエージェント間のインタラクションデザインを行った.これにより,近年問題となっている若年層のコミュニケーションの教育に対して,気軽に異文化体験を行いその教育効果が期待できる.開発した「異文化体験の国:Country of Cross-Culture」によって,今後擬似的に構成した異文化という雰囲気が人間に対してどのような影響を与えるのかについて議論していく予定である.
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Causes of Carryover |
システム開発の進捗が予定よりうまく進んだため,支出を効率よく行うことができた.これにより共同研究者との議論の時間が増えた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度の成果の方に使用計画の重点をシフトしていく予定である.
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Research Products
(4 results)