2013 Fiscal Year Research-status Report
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25330274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 和子 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30330400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巳波 弘佳 関西学院大学, 理工学部, 教授 (40351738)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 時空間推論 / 人工知能 / 計算モデル / ソフトウェア学 / 定性推論 |
Research Abstract |
1. [相対的高さを加えた体系の構築] 単位図形を矩形および三角形とし,それらに相対的高さを加えた表現およびその上での推論方法を提案した.この表現では,2 つの領域同士が接している線分に対して,接している各領域の高さが線分の上方にあるか下方にあるかを記述することで,2 つの領域の相対的な高さの関係を表す.この表現上で,高さに関する条件のついた経路検索システムとして実装し,実際の地形に応用した.また,記号表現から実際の地形を推論する方法を定式化し,その妥当性について考察した. 2. [矩形を基本図形とする表現と推論方法の提案] サッカーの動画を対象とし,選手,ボール,ゴールをオブジェクト,パス,ドリブル,シュートをイベントと考え,まず,オブジェクトの位置関係からイベントを推論するために妥当な定性表現および推論方法を提案した.次に,動画から画像編集ツールを使って矩形でオブジェクトを切り出すための支援システムを作成した.また,得られた数値データをオブジェクト間の関係を定性表現に変換し,オブジェクト間の相対的な位置関係の変化からそこで起こっているイベントを判定するイベント推論システムを構築した.このシステムを実際のサッカーの中継動画に適用し,その有効性を確認した. 3. [定性空間推論の体系の計算モデルの作成] 定性空間表現の 1 つ PLCA についてその計算モデルを作成し,無矛盾性や2次元性などの性質について証明支援系 Coq を使って記述し証明を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,申請者がこれまで行ってきた定性空間推論の研究を発展させ,空間を記号的(symbolic)に扱う新しい研究分野として確立することを目的とする.これまでに机上でしか証明されていなかった PLCA の性質について計算モデルの考え方をもとに形式化し Coq で証明したことから,定性空間推論と計算モデルの研究分野をつなぐ一歩となった.また,従来あまり扱われてこなかった 3 次元データや動画を扱えるような枠組みを示すことで,定性空間推論の現実的な応用分野へむけたシステム問題点の抽出ができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた結果を基にして 3 次元データや動画データを扱える定性空間推論システムを構築する.理論研究も継続する. 1. [高さ情報を伴う移動ナビゲーションシステムの作成と改良] 段差の判定や坂を登る負荷の有無等を考慮したナビゲーションシステムのアルゴリズムを見直して改良し,大学周辺,大阪の地下街等に応用して評価を行なう. 2. [矩形を基本図形とする表現とイベント推論システムの改良] 前年度作成した矩形を基本図形とする表現と推論システムを評価し,不備な点を改良して扱える動画の種類を増やす.推論には論理をベースとしたものを使うが,Hidden Markov Model などの統計的手法の併用も考慮する.また,作成した推論システムを規模の大きな動画に適用する. 3. [定性空間推論の枠組みに対する計算モデルの作成と証明] 計算モデルの作成とその性質の計算機による証明も引き続き行う.いくつかの体系のモデル化を試みる.対象としては PLCA の他に,矩形の重ね合わせシステム,相対的高さを加えた体系を考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2014年2月に海外出張があり,年度末精算に間に合わない可能性があったため,次年度に持ち越した。また,高さを考慮した経路探索システムのアルゴリズムの検討に十分に時間がとれなかったため,今年度は既存の方法を応用し,効率のよいアルゴリズムの検討は次年度に行うこととした。そのため使用予定の予算を余すこととなった。 上記海外出張の精算に使用する予定。また,アルゴリズムを改良したシステムを開発し,その成果発表の旅費として使用する予定。
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Research Products
(10 results)