2013 Fiscal Year Research-status Report
実問題への応用を指向した非線形力学系モデルを用いた最適化手法の開発
Project/Area Number |
25330282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡本 卓 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40451752)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大域的最適化 / カオス / システム工学 / ソフトコンピューティング / 数理工学 / 多目的最適化 / 複雑系 |
Research Abstract |
本研究では,非線形力学系(カオス力学系)を計算モデルとして用いた,実問題に応用可能な最適化手法の開発を目的とした研究を実施している。 本年度は,(1) ゲーム化定理を用いた多点型非線形力学系最適化モデルの解析,(2) 初期離散化幅調整を伴わないカオス最適化手法の提案,(3) Lagrage-Newton力学系を用いた制約条件付き最適化手法の提案,(4) 産業応用のための最適化ベンチマーク問題集の解析,(5) パレート解可視化手法の解析を行い,3件の査読付き国際会議での発表と7件の国内学会発表を行った。 (1)では,多点型非線形力学系最適化モデルの収束解の合理性を与えるためのゲーム化定理を提案した。(2)では,カオス最適化手法に対する収束解の解析結果に基づく初期離散化幅調整法と,すでに提案した方向ベクトル抽出による探索法を組み合わせた手法を提案し,その有効性を様々な特性を有する最適化問題への適用実験を通して明らかにした。(3)では,Lagrage-Newton力学系を用いた新しいカオス最適化の概念に基づく制約条件付き最適化手法を提案し,その有効性を数値実験を通して確認した。(4)では,エネルギープラント運用計画問題等によって構成される産業応用のための最適化ベンチマーク問題集の解析を行い,Lagrange-Newton力学系をもとにした局所探索法である逐次2次計画法やランダム探索法を用いて,これまで明らかでなかった有望な解候補を発見した。(5)では,多目的最適化問題のパレート解を自己組織化マップを用いて可視化する手法の解析を行った上で,新たにGHSOMとよばれる自己組織化マップを用いた可視化手法を提案し,その有効性を検証した。なお,この成果は,非線形力学系最適化モデルを用いてパレート解集合を得た際に,それらの中から実用に供する解を探索する際に有効な方法論を提示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した研究計画にしたがって研究を遂行した結果,研究実績の概要でも説明したように,本研究課題の目的に大きく寄与する手法と解析結果を得るに至っている。また,本年度に得られた成果は学術論文誌に投稿中,ないしは投稿を準備中である。したがって,おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
年度までは,当初予定した研究計画にしたがって研究が進んでいる。来年度も本年度に得られた成果をもとに,研究計画通りに研究を遂行する。
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