2015 Fiscal Year Annual Research Report
危険行動の誘因推定に基づく潜在的危険箇所の抽出:状況判断改善支援への展開
Project/Area Number |
25330303
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
荒井 幸代 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10372575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏典 日本工業大学, 工学部, 准教授 (20426258)
丸山 喜久 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70397024)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マルチエージェントシミュレーション / パターン分類 / エージェントベースシミュレーション / 自転車運転特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の当初の目的は,(1)自転車の危険な運転の誘因を走行中の操作履歴データから推定し,(2)「事故につながる危険な状態と,そこでの被験者の行動を」ルールとして抽出する方法を確立すること,および,(3)抽出された行動ルールを用いたマルチエージェントシミュレーションによって,起こりうる危険場面を創発し,(1)や(2)で得られる定量的評価に基づいた交通標識の配置や,注意喚起のタイミング,また高齢者向けの代替走行(自動化)が必要な場面に関する知見を集積することの3つであった. H.25年度はホンダ技研の自転車シミュレータを用いた実験によって走行過程のハンドル,ブレーキの操作,速度,加速度データを収集し,被検者の軌跡から危険箇所を推定した.その推定方法として,被検者の走行特性を特徴できる属性を決定し,離散化した走行状態の出現回数の統計的処理方法を提案した. H.26年度は,課題(2)に対して,H25年度ではトップダウンに設計した状態集合,属性集合を再構成し「走行過程を説明するベイジャンネットワーク」モデルを構築した.ここで付与した条件付確率の精度を上げるための追加実験も実施し,モデルの妥当性を向上させた. H.27年度は,知的マルチエージェント交通シミュレータMATESに自転車を導入するためのモジュールを実装しMATES上でシミュレーションを実施した.その結果,実際の走行軌跡と一致する挙動を再現することを確認した.現状ではHONDAの教育用シミュレータが用意した危険なシナリオ上の再現に留まっており,新たなシナリオで事故が生じうる場所,走行の特徴を抽出までには至っていない.ただし,HONDAの教育用シミュレータにおいて“危険な状況”として用意された状況側の危険ではなく,事故を起こす運転者の特性の抽出ができたことは大きな成果であり,これをシミュレーション学会誌に投稿する予定である.
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Research Products
(11 results)