2013 Fiscal Year Research-status Report
連動性を考慮した可動領域表現による人の手の運動機能の解明
Project/Area Number |
25330313
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮田 なつき 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン工学研究センター, 主任研究員 (90344225)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 関節可動域 / アルファハル |
Research Abstract |
本研究では,人の手指の関節の連動性を考慮した可動領域表現上で人の運動を捉えることで,運動機能の特徴を解明することを目指す.H25年度は,被験者5名について20種類の運動セットを映像および口頭で指示した際の手動作を計測して,導出した可動領域の体積を概算し,被験者同士で比較した.その結果,「いろいろな姿勢を自由に」など指示があいまいな場合,多くの被験者は可動範囲内の非常に狭い領域の姿勢のみが計測され,境界形状に大きな影響は与えない場合が多いことが分かった.また,境界を求めるのにアルファハルを用いた場合,被験者によっては導出される領域の内部に大きな空隙が発生することがわかった.さらに,被験者1名の非利き手について同様の計測を行ったところ,導出された領域が右手に比べ小さくなった.従来のように,各関節で独立に取得した最大伸展角度あるいは最大屈曲角度には左右で大きな違いはないことから,非利き手は利き手より関節間の連動性が高い傾向が見て取れるとともに,可動領域全体を求める際には注意が必要であることが示唆された.ここで,今年度計測対象とした20種の運動セットはすべて能動的な動作であったが,一般に,重い物体を把持する,あるいは指を外部に押し付けるといった受動的な状態も含めれば,姿勢の含まれる範囲は広がる.これらに基づき,左右で連動性が大きく異なる関節同士や,同側の手の中で連動性の高い関節同士について重点的に計測を行って,あまり寄与度の高くない動作については省略すること,また把持姿勢等を適宜付加することで,計測用の運動セットを改良可能であると考えられる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関節可動域を求めるための現状の運動セットの特徴検討はある程度進んだが,最終的な動作セットの確定には至らなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
H25年度の検討に基づいて動作セットを確定し,複数被験者について可動域表現を求め,被験者同士で領域形状に大きく違いが出るかなどについて分析を行う.また同被験者に,従来の動作分類で扱われている数十種の動作を行ってもらい,その運動データの主成分分析を行う.主成分のベクトルを,別途計測した動作の実データとともに,可動域表現上に重畳し,境界との関係が被験者ごとに異なるかどうか(個人差の有無)を確認する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度は,可動域を形成するための自由動作の計測が主となり,把持物体などの計測用消耗品の使用が基本的に発生しなかったため. 三次元プリンタなどにより把持物体を作成するための造形剤や赤外線反射マーカなど,計測時に必要な消耗品の購入にあてたり,データ処理のために必要な計算機やソフトウェアの購入にあてる.
|
Research Products
(2 results)