2013 Fiscal Year Research-status Report
四肢協調作業時の筋運動感覚特性の解明と操縦インタフェース制御技術の開発
Project/Area Number |
25330321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 良幸 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40336920)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋運動感覚特性 / 筋運動インピーダンス特性 / 多肢協調制御 / 自動車操縦シミュレータ |
Research Abstract |
四肢協調作業において手先/足先で感じる操縦負荷に対して,どのように筋運動感覚特性ならびに筋運動インピーダンス特性が変化するかを明らかにする事を目的として,ロボット機器を活用して電子制御型自動車操縦シミュレータの設計・構築を実施した. 初年度は特に,1軸回転モータ(ハーモニック・ドライブ社)と6軸力覚センサ(ミネベア)を組合わせて,左右下肢で独立操作できるペダル装置を構築した.そして,各回転モータの電子制御には,RT-OSを活用してコンピュータによるハード・リアルタイム制御(サンプリング周期 1ms)を保証した上で,まざまなペダル反力負荷を実現させるためにコンプライアンス制御と機械インピーダンス制御を実装した. そして,構築したペダル装置の基本動作確認を行った後,ペダル操縦負荷に対する反力知覚特性の測定実験を,健常な被験者にて実施した.測定実験では,被験者には指定した下肢姿勢を取らせてシートに座らせ,素足でペダルプレートに接触させた状態でペダル反力を一定時間提示し,知覚した大きさを標準刺激に対するパーセンテージで回答させた.そして,これまでに片足時で確認している結果と同じく,足先による反力知覚は刺激の強度でなくその対数に比例して知覚されるというFechner の法則に従うことを確認した.またさらに,各被験者とも左右の足による知覚特性の差は見られなかったことから,今回に設定した条件の範囲においては,利き足と非利き足による大きな差異は見られないことを合わせて確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属変更を伴ったことから,当該研究課題を推進するに適した部屋確保と電源整備を含む環境整備に時を要し,実質的に7月初旬からの着手となったのが主な理由である. 装置全体の設計・製作は早々に着手はしたが,前述の理由からペダル装置部の完成と基礎的研究を実施するまでが精一杯であった. 一方で,同時並行にて,ステアリング装置部の設計・製作に努めて取り組んだが,完成までには至らなかった. 報告今現在にて,ステアリング装置部を含めたシステム全体を近日中に構築できる見通しはついており,二年目前半で十分に進捗の遅れは補える.
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Strategy for Future Research Activity |
両上肢に先行して,開発済のペダル装置を用いて両下肢によるペダル操縦における筋運動感覚特性と筋運動特性の同時測定手法の開発に着手する. また,ステアリング装置が完成次第,上肢のみと下肢を組み合わせた同時測定を,年内終息を目標として精力的に推進する. 次に,四肢協調作業における筋感覚・運動特性およびそれらの相互関係を表す数理モデルを構築し,ステアリングとペダルの操縦負荷と四肢姿勢を入力として,四肢協調作業における筋感覚特性と筋運動特性を予測・出力する解析ツールのプロトタイプを作成する.
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