2013 Fiscal Year Research-status Report
大規模データを対象としたストーリ指向メディア分析・推薦・可視化システムの実現
Project/Area Number |
25330326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉林 修一 慶應義塾大学, 環境情報学部, 講師 (70458959)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 感性データベース / マルチメディア |
Research Abstract |
本研究では,ウェブ上に大量に存在するストーリ性を有するメディアコンテンツ群(動画像,音楽,電子書籍),および,それらコンテンツの利用者による閲覧履歴・検索履歴を対象とし,コンテンツのストーリの変化に沿ったコンテクストの自動抽出により,ストーリの意味的・感性的関連性に応じたコンテクスト計量処理を伴う情報推薦・情報可視化システム基盤を構築する.研究代表者は,平成25年度において,下記(A)~(C)の研究項目を実施した.(A) ストーリに沿ったコンテンツ印象特徴量とソーシャル分析による特徴量の統合技術を開発した.ネットワーク上に流通する多種多様な動画・音楽データを対象とし,コンテンツが本来有する感性的な特徴を計量するためのコンテンツの印象特徴量分析と,多数の利用者がコンテンツに対して抱く印象を計量するための,ウェブ利用者の閲覧・検索履歴を対象としたソーシャル特徴量分析の,二つの特徴量分析の結果を,ストーリ変化に沿って連続的に結合する機能を実現した.(B) ストーリ変化のコンテクストに応じた特徴選択技術を開発した.メディアデータ内のストーリ変化に応じて,全体的なストーリ変化,および,局所的なストーリの特徴に応じて異なる特徴を選択する“ストーリ印象変化分析による特徴選択演算”を開発した.(C) GPGPU 対象分散並列印象分析フレームワークを開発した.検索や分析の対象となるメディアデータを取得すると同時に,それらメディアデータ群の特徴量を表現するベクトル群を,並列計算に優れたハードウェアであるGPU を用いて並列的に生成するGPGPU 対象分散並列印象分析フレームワークを開発した.以上の開発により,本システムの利用者は,メディアデータの内容についての詳細を知らなくとも,自身の感性的要求をキーワード列として入力し,自らの興味や嗜好に合わせてメディアデータを獲得することが出来る.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の平成25年度研究計画のとおり,(A) ストーリに沿ったコンテンツ印象特徴量とソーシャル分析による特徴量の統合技術,(B) ストーリ変化のコンテクストに応じた特徴選択技術,および,(C) GPGPU 対象分散並列印象分析フレームワークを開発した.研究成果の公表としては,2件の国際雑誌論文への投稿(査読有,現在査読中),3件の国際会議発表(査読有),1件の国際会議発表への投稿(査読有,現在査読中)を行い,研究計画の通りに進捗している.当初の計画以上に進展した成果として,上述のA~Cの研究成果を基盤として,米国カリフォルニア大学サンディエゴ校との共同研究,国際共同研究を開始しており,本研究成果の国際的な展開を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は,平成26年度において,(D) コンテンツ印象変化の可視化技術の開発,(E) 印象検索・推薦結果の可視化技術の開発,および,(F)ストーリに応じたクエリ自動推薦技術の開発を実施する.さらに,これらの技術開発の有効性を検証するため,(実証実験1)として, ストーリ指向情報推薦・可視化機構の精度評価実験を行い,実際のオンライン動画像共有サイトを対象として感性分析と推薦を適用する動画メディア対象ストーリ指向メディア分析・推薦・可視化システムを構築し,感性的特徴に応じた大規模動画像・音楽メディア配信機構を構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の成果発表について,International Journal On Advances in Software, vol.7, no.1&2, 2014, および,International Journal On Advances in Internet Technology, vol.7 no.1&2, 2014から,招待論文の打診があったため,国際会議発表から,これらの論文誌投稿へ,変更を行った.これにより,平成25年度に予定していた国際会議参加の時期を変更して平成26年度に実施することとしたため,旅費として予定していた研究費を次年度に使用する. モバイル分野で著名な国際会議であるIEEE MDM 2014 - 15th IEEE International Conference on Mobile Data Management(2014年7月開催),および,ユーザインタフェース分野における著名な会議であるACM Symposium on User Interface Software and Technology(2014年10月開催)へ論文を投稿し,研究成果発表を行う予定である.
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Research Products
(4 results)