2014 Fiscal Year Research-status Report
組合せに対する感性のモデル化と情報推薦システムへの応用
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25330327
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
庄司 裕子 中央大学, 理工学部, 教授 (30286174)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 組合せ / 感性価値 / 情報推薦 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数のコンテンツや商品を組み合わせて用いる場合、個々の物の単独の価値以外に、組合せの良否によっても全体の価値が変化する。組合せの好適さ度合いによって生じる価値を、本研究では組合せ価値と呼ぶ。 本研究では、組合せ価値に対する感性のモデル化をおこなう。そして、構築した組合せ感性価値モデルを利用して、複数のコンテンツを組み合わせて選択する場合に、利用者にとって好適な組合せを提案できる情報推薦システムに応用する。具体的には、多数の楽曲の中から数曲を選択してプレイリストを作成する例題を対象として、楽曲の組合せ価値をモデル化に取組んできた。そして、利用者が自分のイメージに合った楽曲を好適な組合せで選ぶことができる情報環境を構築し、その有効性を評価した。 本研究では、初年度(平成25年度)と今年度(平成26年度)の期間に、楽曲を例題とした上記の課題について取組み、人間の感性価値に沿った組合せモデルを提案することができた。そして、食べ物の組合せやファッションコーディネートなど異種の例題についても適用領域を広げ、汎用的な組合せ感性価値モデルの提案の試みを開始した。最終年度は、汎用的なモデルの精緻化と、いくつかのコンテンツに適用して妥当性検証をおこなう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、3年間の研究期間に下記の5項目について研究をおこなう予定である。 (1)好適な組合せパターン作成の事例収集および分析、(2)組合せの好適さに関する感性のモデル化、(3)好適な組合せ作成を支援するインタラクティブシステムの構築、(4)システムの評価方法に関する検討、(5)作成したシステムの運用実験と評価 楽曲の選択という例題に関しては、今年度までに(1)~(5)の全てを終えており、研究は順調に進展していると言える。また、他の例題についても並行して研究を進めており、研究の進捗は順調であると言える。
現在、いくつかの例題について知見を統合し、汎用的なモデルの提案に向けて研究を進めているが、これは当初の計画を超える部分ではある。最終年度は成果をまとめるとともに、超過部分についてもチャレンジしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、3年間の研究期間に下記の5項目について研究をおこなう予定である。 (1)好適な組合せパターン作成の事例収集および分析、(2)組合せの好適さに関する感性のモデル化、(3)好適な組合せ作成を支援するインタラクティブシステムの構築、(4)システムの評価方法に関する検討、(5)作成したシステムの運用実験と評価 上述のとおり、個々の例題については、今年度までに(1)~(5)の全てを終えており、研究は順調に進展していると言えが、これまでの研究からの知見を総合すると、好適な組合せについてはコンテンツに依存せず共通する傾向があることが見いだされた。そこで、これらの知見を統合し、汎用的なモデルの提案に向けて研究を進めている。これは当初の計画を超える部分ではあるが、最終年度は汎用的なモデルの提案と情報推薦への適用可能性に関する研究にチャレンジする予定である。この課題に取組むため、今年度に計上予定であった外注作業費を、来年度の早期に支出する(当初は汎用モデルの構築は範囲外であったため、システムの仕様を詰めるために時間がかかり、今年度中に間に合わなかった)。また、最終年度には3年間の研究成果をまとめるための仕事も進めたい。
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Causes of Carryover |
本年度は、ソフトウェアシステムの開発一部を業務委託する計画であったが、当初予定していた例題に関するシステム開発は研究者ら自身でおこなうことができた。そこで、本研究では、個々の例題を通して得られた共通的な知見を総合して汎用的なモデルに発展させることにし、関連する開発業務の一部を業務委託することにした。しかし、汎用モデルの部分は当初の計画を超えるものであり、年度内に仕様を固めることが難しかったため、仕様を決めてから委託できるように繰り越した。 また、平成27年度初めの4月に国際会議の参加が予定されていたため、国際旅費と参加費に充当するための予算を繰り越した。平成27年度は最終年度となるため、旅費と参加費は多めに必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
システム開発に関する業務委託については、すでに必要な要求仕様を明確化して業者と打合せを開始しており、予定の金額を業務委託に使用する計画である。 また、4月に国際会議CHI2015に参加し、その旅費と参加費を使用した。
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Research Products
(3 results)