2013 Fiscal Year Research-status Report
三次元反射物理量を用いた癒し空間を創出する照明・音響演出支援システムの構築法
Project/Area Number |
25330328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
柴田 滝也 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (30349807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 祐子 東京電機大学, 情報環境学部, 講師 (20287444)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 3次元形状特徴量 / 3次元音場再生技術 / 耳介形状 / 鏡面反射 / 感情判断 / 照明技術 |
Research Abstract |
三次元スキャナで耳介形状を測定するだけで音像定位能力を推定し,個人に適応可能な高臨場感音場再生技術を構築する手法を提案することを目的とする。三次元音場再生の正中面の仰角方向の音像定位能力に関しては個人差があり,耳介形状差が問題の一つとしてある.そこで,MRI装置を用いて石膏でできた耳介形状を三角ポリゴンで構成される3次元データ化し、我々が開発した音源方向に依存した音源用鏡面反射物理量を計算し、提案した。当該年度はこの鏡面反射物理量を立体音場の再生手法に応用するために、音像定位能力との関係分析を行った。 被験者17名に対して、当該年度以前に正中面の仰角方向の音像定位実験装置で心理実験を行い,音像定位能力の数値化(心理量)を行った。当該年度では、各被験者の耳介形状を三次元データ化し、音源方向別、かつ、鏡面反射角度別の鏡面反射物理量を計算した。その結果、119データに対して音像定位能力の心理量と鏡面反射物理量の関係を相関分析で分析した結果,相関係数が-0.57となり負の相関があることが分かった。さらに、関係する耳介部位を視覚化する手法を開発し、今後、各被験者の部位を分析することが可能になった。 また、各被験者の両方の数値の散布図を分析した結果、ほとんどの被験者で高い相関があった。よって、我々が提案した鏡面反射物理量は音像定位能力と関係があることが示唆された。将来的には、未知の人の耳介形状をスキャンし、鏡面反射物理量を計算することにより、自動的に音像定位能力を推定することが可能になる。今後は、個人に適応可能な音場再生技術に応用する。 さらに、当該年度以前に椅子着座時の姿勢から感情推定を行うシステムを構築したが、文化差にも着目し、感情判断の相違について分析を行った。今後は、空間にいる時の感情や気分を実時間で推定し,癒し空間を創出する照明・音響演出支援システム構築に応用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
音源用物理量と音像定位能力の関係分析・モデル構築については、 1.被験者100名弱の耳介を石膏で型をとり、精度の面から、三次元スキャナからMRI装置に変更し、32名の3次元耳介形状データを構築した 2.鏡面反射物理量を参考にして,音源方向に依存する耳介形状の鏡面反射物理量を新たに構築した 3.鏡面反射物理量と音像定位能力値との関係を重回帰分析で分析した結果,重相関係数0.9以上にはならなかった。ただし、相関係数では‐0.57となった よって、当初目標の数値に達成できなかったが、鏡面反射物理量と音像定位能力値との間に関連があることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
提案した鏡面反射物理量については、全被験者に対しては相関係数が高くなかった。ただし、個人別には、仰角方向の変位に関して鏡面反射物理量と音像定位能力値との間には強い相関があった。今後は、以下を推進する。 1.各個人および全被験者に対して、どの耳介部分が影響を及ぼしているのかを分析を行う 2.各個人の仰角方向の変位に対して、鏡面反射物理量と音像定位能力値との間に相関が見られたが、全体になると相関係数値が低くなるので、鏡面反射物理量の標準化を試みる
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3次元化するソフトウェアを購入する計画であったが、業者との打ち合わせの結果、前処理に高度な技術が必要なため、購入を見送った。さらに、他の予算を用いて、32個の耳介形状を3次元化することができたため、耳介形状を3次元化する予算の執行分が残った。 業者との打ち合わせの結果、MRI装置を用いてDICOMデータを作成後、業者に一括して耳介形状のデータ作成をお願いすることとした。
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Research Products
(3 results)