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2014 Fiscal Year Research-status Report

対イオンによるDNAの局所構造変化がタンパク質との相互作用や凝集に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 25330338
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

谷川 雅人  大分大学, 医学部, 教授 (90332890)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岩城 貴史  大分大学, 医学部, 助教 (60416419)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords分子動力学(MD) / DNA / 円偏光二色性(CD) / ストップトフロー(緩和時間) / RNA / ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN) / Idarubicin / irinotecan
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度では、特にG-quadruplex(DNAの四重鎖構造で生体内で様々な機能をもつことが分かってきた)について、円偏光二色性(CD)スペクトル、および分子動力学(MD)計算で調べた。pHにより機能が異なることから、pHを変えてCD測定を行い、この結果をMDでpH consstantで計算した。この際に塩基が正に帯電する部分を固定して計算した。また、計算時間をGPGPUを用いることにより約100枚程度早めることにも成功した。(既存のプログラムを使えるように基となるデータ形式や実行条件を検討した)またpHを変えた際の構造変化をCDのストップトフロー法を用いることにより明らかにした。また、同じ条件の資料について緩和時間の温度依存性も明らかにした。得られた緩和時間はミリ秒のものから数十秒のものまで、わずかな構造の違いにより大きく異なっていた。しかし、MD計算は通常マイクロ秒以下の短時間しか動的構造変化を調べることはできない。今回は、第一段階として、各試料のそれぞれの条件によるエネルギー安定性計算した。これらの結果と実験結果を比較検討したが、これまでのところ一部に予想される相関と矛盾する結果もあり、現在誤りがないかの再検討を行うとともに、新しい知見が隠れている可能性も考慮している。
この実験と並行して、種々の低分子とDNAおよびRNAとの相互作用についても調べた。具体的には、イリノテカン、ポリエチレングリコール、TMPyP、NMN(Nicotinamide mononuccleotid)、Idarubicinなどとの相互作用形式および相互作用の強さ、安定性についてCDスペクトル、複合体形成緩和時間およびMDによる構造の時間依存性、エネルギー安定性を調べた。複合体のエネルギー安定性と複合体形成緩和時間の関係を調べ、複合過渡状態の構造および安定性の検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

円偏光二色性測定実験および分子動力学計算実験のいずれについても当初予定していた実験を行うことができた。特に、pHを変えてCD測定を行った結果をMDの結果と比較より、新しい知見を得ることができた。さらに薬剤などの小分子とDNAやRNAの相互作用についても一塩基の配列の違いによって大きく構造やエネルギー安定性が変わることなど詳細な知見を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画通り、長時間の分子動力学計算を行うための条件検討を行う。特に、エネルギーの安定性の小さいものや、エネルギー計算と緩和時間の実験結果から中間生成物の予想されるものについて、重点的に長時間計算を行い、過渡過程の解明を行う。また、解析方法についても従来の方法についても、検討を進める。具体的には、分子動力学計算では、非常に莫大な計算結果が得られるが、その全てを解析に用いることはできず、エネルギーなどの代表的な値を用いている。最近いわゆるビッグデータ解析手法が進歩して、deep learningなどの機械学習法を応用して代表的な構造や異常値検出などについても検討する予定である。

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Published: 2016-05-27  

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