2013 Fiscal Year Research-status Report
様々な動物を対象とする標準脳の構築と活用に向けた統合ソフトウェア環境の開発
Project/Area Number |
25330342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
池野 英利 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (80176114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藍 浩之 福岡大学, 理学部, 助教 (20330897)
神崎 亮平 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40221907)
西川 郁子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (90212117)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ニューロインフォマティクス / 標準脳 / 昆虫 / データベース |
Research Abstract |
平成25年度は、ニューロインフォマティクス関連のプラットフォームに登録されている実験データ及びミツバチニューロンのデータを活用して、標準脳構築のための処理手続きの構築と標準脳に登録するニューロンの形態データ取得のためのプログラム開発を進めた。標準脳構築に関しては、画像処理ソフトFijiをベースに対象とする種の平均脳形状を求め、その形状に脳画像を写像することで構築する方法を提案した。また、ニューロンの形態データ取得については、これまで開発を進めてきたソフトウェアを改良し、処理速度、操作性を大幅に向上させた。また、このソフトウェアが利用できるオペレーティング・システムをWindowsにかぎらず、Linux,MacOSXに拡張することで、より一般的な利用ができる環境を構築した。カイコガ標準脳については、理研で公開している無脊椎動物脳プラットフォームにおいて公開を開始し、また、ニューロン形態の抽出結果については37個のニューロンをシミュレーションプラットフォームに登録した。さらに、ミツバチニューロンを対象に本課題において開発を進めた形態抽出ソフトウェアの結果と共晶点レーザ顕微鏡画像の解像度との関連について調べた結果、水平方向0.36ミクロン、鉛直方向1ミクロンの間隔で取得された光学切片画像から細胞形態の比較に対しては十分な精度で形態抽出が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カイコガを対象に標準脳構築のプロセスを確立することができ、その方法についてまとめ、公表していく段階にいたった。また、標準脳に登録するニューロンの形態を画像データより抽出する既存のプログラムを大幅に改良し、処理の高速化、利用可能なオペレーティング・システムの幅を広げ、実用レベルのソフトウェアとして公開可能なものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
構築したプロセスを実際の研究に活用していくことが今後の課題であり、まずは、カイコガ脳を対象にフェロモン刺激の需要から情報処理、行動制御に至る神経経路を構成するニューロンについて、その形態を再構築し、標準脳にレジストレーションすることによって、シナプス結合状態の推定を進める。その結果を神経回路モデルに反映させることによって、カイコガの行動制御に関わる運動指令生成の神経回路機構の解明を進める。また、ミツバチニューロンに関しては、ダンスコミュニケーションに関わると考えられる触角への振動刺激に反応するニューロンの応答特性と形態との関連を調べていき、振動刺激処理の神経回路プロセスの解明とミツバチの日齢や職階との関連を調べていく。構築した標準脳構築のプロセスについては、幅広い分野への適用を目指して操作性の向上させるだけでなく、構築された標準脳の3Dプリンタへの出力機能など機能の追加を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費、謝金については、ソフトウェア開発後に実験データを解析を進める要員を確保するために、平成25年度は雇用せず、平成26年度以降に執行することとした。また、研究遂行のための打ち合わせについては、遠隔会議などを活用したことにより出張費を節約した。 開発したシステムを実験データに適用していくための要員の確保する必要があり、平成26年度は、平成25年度の未執行分を含め、人件費、謝金を中心に使用していく計画である。
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Research Products
(14 results)