2013 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルネットワーク上でのユーザ間の動的信頼モデルの構築
Project/Area Number |
25330365
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
武藤 伸明 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (40275102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 哲夫 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (60363727)
斉藤 和巳 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (80379544)
大久保 誠也 静岡県立大学, 経営情報学部, 助教 (90422576)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 動的信頼モデル / オンラインレビューサイト / 変化点検出 / 重要ユーザ検出 / 異常値検出 / 時間減衰ダイナミクス / アイテムランキング |
Research Abstract |
本研究では、商品などのアイテムをレビューするユーザを主たる対象として、これらユーザから構成されるソーシャルネットワーク上で、ユーザ間の信頼関係が時間とともに変化する動的な側面も考慮して、ユーザ間の動的信頼モデルを構築し、動的信頼モデルから得られるユーザ間の信頼レベルを既存の情報拡散や意見形成モデルに組み込み、将来の情報の広がりや意見のシェアなどの高精度予測を可能にする。また、ユーザ間の動的信頼モデルを土台にした不正スコアのレビューなどを抽出する異常値検出法を確立する。 上記の目的の達成のため、平成25年度は、まず、重要な時系列的イベントの検出法の確立を行った。レビューサイトにおいて、あるユーザがあるアイテムにレビューをすることにより、そのアイテムの今後のレビュー傾向が大きく変化するようなことが発生するが、このような時系列的イベントやそれらを頻繁に誘発するようなユーザの発見することを目的として、ユーザの基本評点行動として多項分布モデルを仮定し、尤度比検定の枠組みで変化点検出問題を定式化した。さらに、この問題を実用的な時間で解くために,貪欲法と局所改善法を組み合わせた手法を提案した。また、この手法を基盤として、重要な情報を発信しているレビューやユーザの検出法や、「やらせ」や「さくら」などの異常ユーザの検出法を構築した。 また、ソーシャルネットワーク上でのユーザの意見形成過程については、時間減衰ダイナミクスを持つ意見形成モデルが提案されているが、本研究では、レビューサイトにおけるユーザのアイテムに対する評点行動の分析、評価を目的として、Z-スコアに基づくアイテムランキング法に、指数的とべき乗的時間減衰ダイナミクスを導入した、Z-スコアに基づくアイテムランキング法を提案し、実際のオンラインレビューサイトのレビューデータを用いて提案法の評価を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究では、ユーザ間の動的信頼モデルの構築および動的信頼モデルから得られるユーザ間の信頼レベルの既存の情報拡散や意見形成モデルへの組み込みに関して、ユーザ間の動的信頼モデルを意見形成モデルに組み込んだいくつかのモデルを構築した。また、それらモデルに基づくオンラインレビューサイトにおける時間的変化点の検出法を確立し、これを基盤として、重要なレビュー、ユーザ、アイテムの検出法や、異常ユーザの検出法を構築し、その有効性を実際のオンラインレビューサイトのデータを用いて検証した。以上、平成25年度の研究計画について、研究はおおむね計画通りに進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、ユーザ間の動的信頼モデル、および、動的信頼モデルの情報拡散や意見形成モデルへの組み込みについて、昨年度構築したモデルの精緻化および拡張について検討する。また、オンラインレビューサイトだけでなく、楽曲動画のランキングに研究対象を拡大する。楽曲動画のランキングは、楽曲動画が優れているかのみならず、楽曲あるいは作曲者の集客能力に依存するが,集客能力の影響を極力排し、楽曲の質にのみ依存したランキングを提供することを目的とし、それに適した動的信頼モデルの構築と、ランキング生成手法の確立を行う。
|