2013 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォンによるユーザ参加型主観的情報システムのリコメンド機能の開発
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25330366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
市村 匠 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (10295842)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユーザ参加型主観的情報システム / スマートフォン / リコメンデーション / ソフトコンピューティング / 知識獲得 |
Research Abstract |
本研究においては,我々がすでに開発した「ユーザ参加型主観的情報センシングシステム」を用いて,ソフトコンピューティングの手法により特徴的な観光情報を抽出する。これらの特徴を用いて,魅力ある観光情報を旅行者に推薦する仕組みを研究開発している。投稿情報の件数が少ない観光地の場合,WebやSNSなどのようなネットワークコミュニティで大量の情報を分析し,ユーザが欲する情報をリコメンドする必要がある。旅行者個人によって欲しい情報が異なるので,ユーザ参加型主観的情報システムにおいて個人の情緒に対応したリコメンデーション機能を開発することを目的としている。 平成25年度は,当初の計画通り,次の5つのテーマにおいて,概ね当初計画通りに計画を進めることができた。 1)GPS位置情報,写真,数値による評価値,コメント(自然言語)の観光情報データを収集するAndroidスマートフォンアプリケーションを改良し,セキュリティを考慮したサーバで記録した。2)画像処理やパターン認識を行うために,OpenCVを用いて,抽出された画像の特徴を複数のカテゴリに自動で分類するために,投稿された写真から基本的な特徴パターンを手動で決定した。3)欠損値や曖昧性がある情報を分類し,特徴を抽出するデータマイニング手法として,木構造を用いたニューラルネットワークによる学習と知識獲得手法で知識を獲得するために開発した手法において,パラメタにチューニングを行い,知識獲得手法を開発した。4)Webサイト,ブログなどの観光情報データをWebから著作権を考慮して収集し,一般的な観光情報の特徴を抽出した。5)旅行者に応じた感性に合った観光情報を調査するために,行者の観光に対する関心を質問紙において調査し,旅行者の行動について因子分析などの統計的な手法を用いて解析した。これらの結果をもとに,旅行者の関心に関するモデルを構築し,定式化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度計画にあった5個の研究項目において,次のような研究結果を得られた。1)GPS位置情報,写真,数値による評価値,コメント(自然言語)の観光情報データを収集するAndroidスマートフォンアプリケーションを改良し,セキュリティを考慮したサーバで記録した。2)OpenCVを用いて,抽出された画像の特徴を複数のカテゴリに自動で分類するために,投稿された写真から基本的な特徴パターンを宮島など観光地におけるランドマークに対し,手動で決定した。3)欠損値や曖昧性がある情報を分類し,特徴を抽出するデータマイニング手法として,木構造を用いた階層構造成長型自己組織化マップによる学習とC4.5による知識獲得手法によって,魅力ある観光情報に関する知識を獲得した。4)Webサイト,ブログなどの観光情報データをWebから収集し,一般的な観光情報の特徴を抽出し,広島県の観光情報のそれと比較した。5)旅行者がどのような点に関心をもっているのか,感性に合った観光情報を質問紙において調査し,旅行者の行動について因子分析などの統計的な手法を用いて解析した。これらの結果をもとに,旅行者の関心に関するモデルを構築し,定式化した。なお,OpenSSLの脆弱性等,セキュリティ対策に対応しなければならなくなり,現在対策を講じているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
旅行者の感性(観光の優先順位や購買意欲)にもとづいたリコメンデーション機能を開発する。ここでは,Google検索による優先度,一般的なWeb情報における広島観光の重要度をWeb検索結果から統計的な手法によって計算するモデルを構築する。また,個人の感性の違いにより,評価値が異なることが考えられるので,それを考慮したリコメンデーション機能を開発する。また,本研究の当初計画にはなかったことであるが,現時点での実証実験を広島県江田島市および江田島観光協会と共に実施し,学生および地元住民の協力のもと,被験者調査を実施する予定である。これにより,開発したシステムの有効性についての検討が容易になると考えている。さらに,スマートフォンを用いた主観的情報ソーシャルネットワークシステムをGoogle+を用いて開発する。同じ主観的尺度をもつ旅行者同士のコミュニティが構成され,ネットワークが大きく成長するモデルを構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度の開発過程において,サーバ設置場所について,業者に委託すると,セキュリティ対策などの面で予算を超過することが年度当初に分かった.開発途中であることと,システム動作確認などの面で,サーバ設置場所を自宅のネットワークとした.また,研究については,学生アルバイトとして雇用した学生の能力が非常に高く,想定した工程よりも少ない時間で開発を行うことができ,結果として予定以上に研究が進んだため,謝金が余った. サーバ設置場所について,学内でのサーバ設置を検討している.このサーバの動作やセキュリティ対策において,必要な対策を講じるために,謝金の支払いに使用する.一方,25年度までの研究成果に基づいて,有効性の検証のために,自治体とともに検証実験を行う.この際,学生アルバイトにより,検証実験のサポートに謝金を使用する.
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