2016 Fiscal Year Annual Research Report
Structural change of English public library policy: focusing on interest groups and their roles
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25330386
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須賀 千絵 慶應義塾大学, 文学部(三田), 講師(非常勤) (80310390)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 図書館政策 / 市民団体 / 市民参画 / 抗議行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.昨年度の従業員・住民が共同で運営する相互扶助組織による図書館運営の補足調査として,平成28年11月に,全国で3例目として相互扶助組織に移行したDevonの図書館を訪問し,相互扶助組織のCEOに相互扶助組織への移行後の様子について話を聞いた。各館の運営に参加する市民はほぼ順調に集まっていること,ものづくりを支援するコーナーの開設など,新規のサービスにも積極的に取り組んでいる状況を確認することができた。 2.直営から別の運営方法に移行する際のプロセスと,そのプロセスに対する市民の関与について知るために,パブリック・コンサルテーションを経て,分館運営を各地域の下位自治体等に移管したCornwallの事例を検証した。地方紙の報道,Cornwall議会の議事録等の文献から,一連の経緯を調査した。そのうえで,平成28年11月に現地を訪問して図書館を見学すると共に,自治体の担当者2名(図書館長と図書館が属する部門の責任者)に,Cornwallにおける図書館運営方法の見直しについてインタビューを実施した。その結果,パブリック・コンサルテーションや議会での議論を経て,財政削減に伴う図書館運営のあり方の見直しについて,自治体の当初の希望とは異なる形で政治的決着が図られたこと,パブ内のミニ図書館の開設・出張所にあたるワンストップ・ショップと図書館との統合・下位自治体への分館運営の移管といった多様な変革が進められたことなどが明らかとなった。また分館の職員と地方議員各1名にもインタビューを実施し,Cornwallの図書館や自治体行政の実情等について背景となる知識を得た。 3.昨年度の相互扶助組織に関する調査の結果をもとに,原著論文を執筆した。
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