2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
青柳 英治 明治大学, 文学部, 准教授 (00515075)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 図書館情報学 / 専門図書館 / 専門図書館職員 / 図書館員養成 / キャリアパス |
Research Abstract |
本年度は、次の3点の研究を進めた。第一に、聞き取り調査対象者の選定を行なった。具体的には、聞き取り調査の対象となり得る専門図書館職員約20名を選定した。選定にあたっては、これまで実施してきた実証研究(質問紙調査、聞き取り調査など)によって蓄積できた知識と人的ネットワークを有効に活用できた。 第二に、聞き取り調査項目の検討と設定を行なった。具体的には、前回の科研費研究で明らかにできた専門図書館職員に求められる知識・技術の習得・向上のための、①これまでの被調査者自身の考え方・取り組み方、②被調査者が受講した教育訓練、実施した自己啓発の内容、③この二点についての今後の被調査者の考え方、取り組み方を把握できる聞き取り調査項目を設計できた。 第三に、聞き取り調査を実施し、結果の整理を行なった。具体的には、設計した調査項目をもとに、各機関種(企業、団体、国際機関など)に勤務する専門図書館職員15名に対し、訪問による聞き取り調査を実施できた。聞き取り調査では半構造化インタビューの手法を用いた。聞き取り調査の内容は、すべて文字に起こし内容を整理するとともに、分析手法として質的研究の導入を検討した。 以上の研究をとおして、本研究の目的である「前回の科研費研究において明らかにできた専門図書館職員に求められる知識・技術を発展させ、専門図書館職員のキャリア形成のための環境整備のあり方を明らかにする」ための基盤を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を明らかにするために、平成25年度で実施するべき研究は、すべて実施することができた。さらに、次年度に予定していた専門図書館職員に対する聞き取り調査の一部を先行して行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、次の3点の研究を進める予定である。第一に、前年度に引き続き専門図書館職員5名ほどに対し訪問による聞き取り調査を実施する。並行して前年度に実施した聞き取り調査の内容を含めて整理を行ない、分析の手法を決定したうえで、実際に分析を進める。 第二に、質問紙調査の対象機関を選定し調査項目の検討を行なう。具体的には、『専門情報機関総覧』(専門図書館協議会刊行)の掲載機関をもとに対象機関を選定のうえ、標本調査を実施する。調査項目は、厚生労働省が毎年実施する『能力開発基本調査』のうち、「事業所調査」の調査項目に着目し、専門図書館職員に対する能力開発の実情を調査できる項目を設計する。 第三に、学会発表等を行なう。具体的には、聞き取り調査で得られた成果をもとに、日本図書館情報学会等の研究大会において発表し、成果の普及に努めるとともに、参加者からの多様な観点にもとづく助言を得ることによって、研究内容を深化させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の直接経費における当初助成金額は200,000円であった。しかし、本年度の当初計画よりも研究に進展があり、次年度に実施予定であった専門図書館職員に対する聞き取り調査を前倒して行うことにした。これに伴い、聞き取り調査にかかる諸費用(交通費、会議費、聞き取り内容の文字起こしにかかる費用等)が発生することになった。 そのため、年度途中に助成金の前倒し支払い請求の手続きを行ない、次年度の直接経費における助成金額から概算で400,000円の前倒し請求を行なった。その残額が生じたことによる。 前年度に引き続き、専門図書館職員に対し訪問による聞き取り調査を継続する。聞き取り調査にかかる諸費用(交通費、会議費、文字起こし費用など)に約35万円、資料購入費用に約3万円を必要とするため、本年度の使用残額を充当する。
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