2014 Fiscal Year Research-status Report
eラーニングでのビッグデータに適応可能な学習支援システムの開発
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25330419
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
小川 賀代 日本女子大学, 理学部, 准教授 (20318794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ハルトノ ピトヨ 中京大学, 工学部, 教授 (90339747)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | eラーニング / Learning Analytics / ログ解析 / LMS / SOM |
Outline of Annual Research Achievements |
日本国内においても、高等教育機関を中心にLMSが普及し、学習履歴データがサーバー上に蓄積され、ビッグデータになりつつある。これらの情報を解析することで、学習活動の改善、達成度の評価、将来的な能力の予測などに活用する期待が高まっている。 初年度の平成25年度までに、個人の学習傾向を抽出するための解析方法を提案し、2679人の学習履歴データ、及びeポートフォリオの蓄積データについて適応したところ、クラスタの特徴の解釈、個人の位置関係について、妥当性ある結果が得られ、提案手法の有効性が確認できた。そこで、平成26年度では、2679人のデータ解析の深化、及び研究計画でSTEP(3)として掲げている「学習結果や行動の予測」について取り組んだ。下記に、それぞれの研究成果を示す。 【データ解析の深化】2679人の学習履歴データを更に解析していくことで、どのようにeラーニングを活用しているかについても明らかとなり、学習者だけでなく、コンテンツ設計者へのフィードバックに繋がる情報も抽出することができた。更に、時間の粒度を変化させた解析を行ったところ、SOMによる可視化において、粒度を細かくすると、クラスタがより密集化する傾向が得られた。 【学習結果や行動の予測】学習履歴データから属性の予測を行うために、SOMとハイパーSOMを用いて検証を行った。これまで、学習者の位置づけにSOMを用いており、学習傾向が近いものは、近くにマッピングされていた。この性質を利用すれば、学習傾向の予測ができると期待される。しかし、学習支援において、学習傾向から成績の予測ができることが望ましい。そもそもSOMは、属性を考慮に入れず可視化を行う手法である。そこで、属性を考慮したハイパーSOMを用いて、学習傾向から成績(属性)の予測を試みた。その結果、予測率76.2%の結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に目標としていた学習結果や行動の予測において、SOMとハイパーSOMによる検証を行い、属性を考慮したSOMであるハイパーSOMにおいて、76.2%の識別率が得られた。識別率向上については、平成27年度も継続して検討を行う必要性はあるが、学習履歴データから、学習結果の予測に着手することができ、程々に良い結果が得られていることから、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に検証を行った学習結果や行動の予測において、ハイパーSOMを用いたところ、まずまずの識別率を得ることができたが、更なる向上を目指して、新たな手法についても検討を行っていく。また、現在、予測に用いたのは、一種類の学習履歴データであるため、他の学習履歴データにおいてもハイパーSOMおよび新しく検討する手法においても適応可能かどうか、検証を進めていく。 更に、これまで検討してきた学習傾向の抽出、学習結果や行動の予測の手法がビッグデータに対しても適応可能かについての実証実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
1月に発行された論文の別刷り代が、解説論文だったため、一般の別刷り代より安い値段設定となっていたため、使用額を抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、最終年度となるため、本研究の成果発表として国内外での学会発表、及び論文投稿を行っていく。
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