2013 Fiscal Year Research-status Report
タブレット端末を活用した国際交流型メディア・リテラシー教育の実践的研究
Project/Area Number |
25330420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
坂本 旬 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (60287836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 誠 法政大学, 情報メディア教育研究センター, 助教 (60613065)
村上 郷子 法政大学, キャリアデザイン学部, 講師 (80383131)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | eポートフォリオ / メディア・リテラシー / 異文化理解 / 国際交流 / カンボジア / 中国 / ネパール / 国際情報交換 |
Research Abstract |
(1)基礎理論 第一に、4月下旬に坂本、村上、宮崎がユネスコMILIDカイロ会議に参加し、Maharaを活用したメディア情報リテラシー教育に関する提案を行った。第二に、坂本、村上による2013年版ユネスコMILID年報への本研究の理論枠組みを紹介した論文の投稿を行った。これは2012年ユネスコMILIDバルセロナ会議で発表した本研究の概要報告をもとにまとめた英語論文である。第三に、坂本による理論と実践の概要をまとめた単著『メディア情報教育学』を出版した。本書は本研究の基礎となる理論的枠組みと背景、およびカンボジアと日本の小学校間交流実践をまとめたものである。 (2)研究実践 坂本が国際交流のための映像制作実践として、中国大連外語大学および大連市立第十六中学校、カンボジア・メコン大学及び付属インターナショナルスクール、江戸川区立鹿骨東小学校、法政第二中学校、ネパール・レイクシティ大学でタブレット端末を用いた授業を行った。 (3)システムの開発 宮崎を中心に法政大学情報メディア教育研究センターと協力しながらMaharaを用いた学校間交流用協働型学習支援システムを立ち上げ、およびルーブリック用プラグインを開発し、村上と坂本が担当する国際交流授業で試用を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)GML教育の基本的な理論枠組みについては、坂本がメディア・リテラシーおよび情報リテラシー双方の観点から、著書としてまとめて出版した。 (2)GML教育の評価基準および定性的評価手法の妥当性については、ユネスコの国際会議において評価の手法についてバルセロナ自治大学と情報交換を行った。また、宮崎が開発したMahara用ルーブリック・プラグインを活用した試験的評価を村上・坂本が担当する授業で行った。GMLの評価手法については、ユネスコが2013年に公表した「Global MIL Assessment Framework」の参照が欠かせない。同書は単なる学習者の評価ではなく、行政に対する評価を含んだ総合的なものである。本年度はGML評価方法のあり方に対して、ユネスコの理論を含め、多様な情報を収集し、一部については試行することができた。 (3) 協働型学習支援のシステム構築と活用方法と有効性については、宮崎および法政大学情報メディア教育研究センターによってeポートフォリオMaharaによる協働型学習支援システムを構築し、大学生間の異文化交流に活用する体制を整えた。ただし、このシステムは大学生に利用が限定されており、初等中等学校間の交流には利用しない。それに代えて、NetCommonsの動画プラグインを用いて、中国と日本の中学校間の動画の閲覧を実施することができた。 (4) GML教育におけるタブレット端末の活用方法と有効性については、本研究のため、iPad miniを40台用意し、国内では法政大学および付属中学校、江戸川区立鹿骨東小学校、カンボジア、ベトナム、ネパール、中国の大学および初等中等学校で実践を行い、その有効性を確認するためのデータを収集した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) GML教育の評価基準および定性的評価手法の妥当性については、村上および宮崎が中心に、ユネスコの「Global MIL Assessment Framework」の翻訳とともに、ルーブリックの開発と実施・検証、定性的評価については菅原が中心にその手法を検討し、昨年度及び今年度の実践の分析に用いる。 (2) 協働型学習支援のシステム構築と活用方法と有効性については、宮崎が中心に、海外の大学との国際交流を実施し、その有効性を検証する。また、初等中等学校では菅原を中心に、NetComonsを用いた動画閲覧システムの検証を行う。 (3) GML教育におけるタブレット端末の活用方法と有効性については、坂本、菅原、村上が中心に、昨年度及び今年度に収集するデータをもとに分析し、多角的な視点から検証するとともに、活用方法についてのマニュアルの作成を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度末に購入したサーバー代金および村上の海外出張費の支払を今年度に持ち越したため。 今年度中に支払を行う。
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