2014 Fiscal Year Research-status Report
聴衆モデリングに基づいた情報伝達ノウハウ習得支援システムの開発
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25330425
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小尻 智子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (40362298)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プレゼンテーション支援 / ジェスチャ支援 / 話し方支援 / 意図抽出 / モーションキャプチャ / 音声処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,プレゼンテーションという文脈において基本的な情報伝達ノウハウの習得を支援するシステムを構築し,その効果を明らかにすることである.平成26年度は,口頭説明に焦点をあてた.口頭説明は発言とジェスチャで構成されるため,それぞれの側面からの支援システムを構築した. 効果的なプレゼンテーションでは,単にスライドの内容を読むだけでなく,スライド中の強調したい内容がより伝わるような話し方をする.聴衆者は声が大きかったり,話す前に間があったりする個所を強調箇所と認識する.そこで,本研究ではスライド中のレイアウト・効果と,発表の音声情報からそれぞれ強調していると推測される個所を抽出し,可視化するシステムを構築した.本システムでは,スライドと話し方の強調意図を比較することで,発表者自身で不適切な話し方をしている個所に気づき,スライドの強調箇所を強調できるよう話し方を改善することを促している. 一方,ジェスチャは聴衆者に特定の意図を伝えるための身振り手振りのことである.伝えたい意図がある大切な箇所に対してその意図を反映するようなジェスチャを用いて表現することは,理解を促進する.そこで,まずプレゼンテーションで良く用いられるジェスチャとその意図について調査した.その結果,強調と時間的な流れを表すジェスチャが頻繁に見られることが明らかになった.また,それらの意図は,スライドではアニメーションとして表現されることが多いことが明らかになった.そこで,ジェスチャでアニメーションを開始することができるプレゼンテーションシステムを構築した.本システムではKinectを用いて発表者のモーションを取得し,発表者が意図を表すジェスチャをしなければアニメーションが開始できないような機能を設けることで,内容に応じたジェスチャを含んだプレゼンテーションの実現を促進している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書では,26年度には口頭説明の支援を行うこととなっている.予定通り,26年度には発言とジェスチャに焦点をあて,対象とする意図は限定的ではあるが(発言は強調意図のみ,ジェスチャは強調意図と時間の流れ),意図を表現できるようになるための支援システムを構築できた.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度の計画は,これまで構築したシステムを統合して一つのシステムとすることとなっている.評価実験をとおして得られたシステムの課題に対処しつつ,統合システムの設計を考えることを予定している. 25年度,26年度を通して,スライド・発言・ジェスチャをそれぞれ対象とした支援システムを構築してきた.このうち,スライド・発言を支援するシステムはオフライン(発表中以外)に利用することを想定している.しかし,現在のジェスチャ支援システムはオンライン(発表中)のジェスチャの制御を通してジェスチャを体で覚えさせるというアプローチとなっている.これは,ジェスチャをいわゆる運動スキルとみなしており,後から振り返るよりも体で覚える方が効果があるだろうという仮定からなっている.しかし,もちろん発表全体をとおして自身のジェスチャを後から振りかえることにも一定の効果があることが考えられる.そこで,統合システムを構築する際は,まずオフラインの用途に焦点をあてた統合を目的とする.同時に,これまで構築したジェスチャ支援システム中のモーションキャプチャデータを用いたジェスチャのオフライン支援も実現し,組み込んでいきたい.
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Causes of Carryover |
26年度は発言およびジェスチャを対象としたシステムを構築したのだが,2つのシステムを同時に構築したため,大規模な実験をする時間がとれなかった.そのため,実験で使用する予定であった物品の購入ができなかったり,実験で被験者に支払う予定であった謝金や,実験補助者の人件費を支払うことができなかったのが主な原因である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は当初の予定どおり統合システムの構築を目指すが,統合したシステムを用いて大規模な実験をすることで,個々の機能の評価・改良も同時に行いたいと考えている.そのため,実験で使用する物品の購入費や,被験者への謝金,および実験補助者の人件費等に支払う予定である.
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