2013 Fiscal Year Research-status Report
電子ノートシステムの提案とその導入効果の検証に関する研究
Project/Area Number |
25330428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
尾関 孝史 福山大学, 工学部, 教授 (40299300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 栄治 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (20220866)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子ノート / 講義 / 受講者 / キーワード / 視線 / 筆記 |
Research Abstract |
本研究課題は、サングラス型カメラ、デジタルペンやペンタブレットといった電子ツールを利用した電子ノートシステムを提案する。更に、講義の聴講者が作成した電子ノートを解析し、受講者の講義への集中度や理解度を定量的に検証する方法を提案し、提案する電子ノートシステムの講義の理解度に対する有効性を検証することである。このうち、平成25年度の課題は、以下の2テーマである。 (1)電子ノート内のキーワードの自動抽出とその索引への登録。特に、電子ノートへの電子ペンの書き出し用語や頻度の高い用語を自動抽出し、キーワードとする方法の提案。 (2)固定カメラ映像から、電子ペンによる記入内容に一致する部分の自動抽出。特に、(a)サングラス型カメラの視線の変化、(b)電子ノートへの記入のタイミング、の2つの情報量を分析し、映像の大まかな分割に利用する。 これに対して、平成25年度は、以下の研究成果を得た。 (1)ペンタブレットで入力されたオンライン手書きノートから、チェーンコードのヒストグラムやランレングス圧縮法を利用することで、手書きキーワードをノート内から高速に検索する方法を開発した。また、オンライン手書きノートから頻度の高いキーワード自身を自動的に抽出する方法も開発した。 (2)聴講者が講義者や板書を見ているか筆記中であるかを固定カメラやサングラス型カメラの映像から自動的に判断する方法を提案した。固定カメラの映像から、受講者の顔を肌色領域として抽出し、抽出した肌色領域の変化から、聞き手の顔の向きを推定し、聞き手の状態の判断を行っている。また、サングラス型のカメラの映像から、ペン先の動きを解析することで筆記中かどうかを判断している。実験では、複数の被験者に対して、顔の向きやペン先の動きから筆記中の状態を推定できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、2つのサブテーマ (1)電子ノート内のキーワードの自動抽出とその索引への登録。特に、電子ノートへの電子ペンの書き出し用語や頻度の高い用語を自動抽出し、キーワードとする方法の提案。 (2)固定カメラ映像から、電子ペンによる記入内容に一致する部分の自動抽出。特に、(a)サングラス型カメラの視線の変化、(b)電子ノートへの記入のタイミング、の2つの情報量を分析し、映像の大まかな分割に利用する。 であるが、両者に対して、手法の開発、実験による検証、外部発表を行うことができている。このことから、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた手法の精度を高めるため、実験データを使い、改善を行うとともに、平成26年度のサブテーマ(3)固定カメラ映像とサングラス型カメラ映像の比較による講義への集中度の分析に取り組む予定である。 講義の受講者の視線は、大まかに分類すると(a)講師や板書の内容をみる時間、(b)ノートにメモを記入する時間、(c)教科書や配布資料を読む時間の3つに分類される。視線が、それ以外に長期にわたりある場合は、著しく講義への集中力を欠いている状態であると推定できる。また、講義者の講義時間も、(a)説明を主に行っている時間、(b)板書を主にしている時間、の2つにおおまかに分類できる。これらの相互の時間を解析し、受講者が(a)講義者の説明を聴講している時間、(b)内容の理解が終了し、ノートにメモをしている時間、の2つに明確に分類できるかどうかを統計的手法を用いて分析する。受講者全員にこの分析を行い、内容を理解せず、板書を写すことに専念している場合の視線の動きを特徴づける。そして、これらのデータをもとに、その講義において受講者の集中度や関心度を測る指標を提案する。また、講義者が、説明時間と板書時間を明確に分けた場合と、板書と説明を混在した場合で集中力にどのような違いが生まれるかを調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度9月に学科の新校舎への移転があったため、画像解析用の計算機サーバの購入を次年度に繰り越したため。また、2014年1月にある国際会議において、発表予定であったが、情勢により発表を取り下げたため。 平成26年度には、画像解析用の計算機サーバを購入する予定である。昨年度、発表を見送った国際会議での研究を適切な国際会議で発表する予定である。
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Research Products
(4 results)