2014 Fiscal Year Research-status Report
電子ノートシステムの提案とその導入効果の検証に関する研究
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25330428
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
尾関 孝史 福山大学, 工学部, 教授 (40299300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 栄治 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (20220866)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 講義 / 受講者 / 視線 / 集中度 / 映像 / サングラス型カメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、サングラス型カメラ、デジタルペンやペンタブレットといった電子ツールを利用した電子ノートシステムを提案する。更に、講義の聴講者が作成した電子ノートを解析し、受講者の講義への集中度や理解度を定量的に検証する方法を提案し、提案する電子ノートシステムの講義の理解度に対する有効性を検証する。そのうち、平成26年度の課題は、テーマ(3)の「固定カメラ映像とサングラス型カメラ映像の比較による講義への集中度の分析」である。そのためのサブテーマが以下の2つである。 (i)固定カメラの映像を講義者の板書時と説明時に分離すること (ii)サングラス型カメラ映像における講義者、黒板、電子ノートへの受講者の視線変化を測定すること これらをもとに受講者個人および受講者全体の講義への集中度を定量的に分析する。 講義の受講者の講義への集中度を分析するに当たり、受講者の視線が(a)ノートにメモを記入する時間及び(b)講師や板書の内容を見る時間に自動的に分割する方法を提案した。提案手法では、受講者を固定カメラで撮影した映像から、受講者たちの顔の向きを顔の肌色量の増減を利用して推定した。実験の結果、常時板書を写すタイプの受講者としばらく板書を眺めた後にメモを取り始めるタイプの2タイプの受講者が存在することが分かった。しかし、提案手法では、受講者が多い場合、複数の顔が重なって、顔の向きの判断ができない問題があることが分かった。 次に、サングラス型カメラを着用した受講者の撮影した画像からの視線の動きの推定を行った。その結果、顔の動きで、ある程度の視線の推定ができることが分かった。しかし、顔の動く速度が異なると推定誤差が生じることも分かった。このため、視線の動きの推定精度を向上するには顔の動きの速度に応じた補正が必要である。サングラス型カメラ映像による集中度の分析は次年度への残された課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の「固定カメラ映像とサングラス型カメラ映像の比較による講義への集中度の分析」の2つのサブテーマ (1)固定カメラの映像を講義者の板書時と説明時に分離する方法の提案 (2)サングラス型カメラ映像における講義者、黒板、電子ノートへの受講者の視線変化の推定 のうち、(1)の手法は、開発、実験による検証を行うことができている。一方、(2)の視線変化の推定には十分な精度が得られていない。しかし、視線の動きの速さによる推定誤差が原因であることは分かっているので、その補正方法がわかれば必要な精度の推定は可能と予想している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、サブテーマ(4)の「電子ノートのキーワードや理解度テストによる講義の理解度の分析」に取り組む。 最初に、(1)受講者が作成した電子ノート内に、講義者が講義の目標としたキーワードが正しく記入されているかを調べる。この分析は、個人の講義の理解度を調べるだけでなく、この分析を講義の全受講者に行うことで、その講義の評価-目的が受講者に正しく伝えられたかどうか-を明らかにする。 次に、(2)映像を埋め込んだ電子ノートを作成する受講者と手書きノートのみ作成する受講者に対して、時間を空けて、キーワードに対しての理解度テストを行う。この調査から、電子ノートが従来の手書きノートに対して優位性があるかのどうかを検証する。 また、前年度に残された課題である「サングラス型カメラ映像における講義者、黒板、電子ノートへの受講者の視線変化の推定」を行う。推定誤差の原因を取りのぞき、受講者の視線の動きの情報をもとに講義への集中度を測定し、最後に(1)や(2)で得られた理解度との関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
平成26年度に購入予定の実験器具の販売が遅れたため、残金を次年度への繰り越しとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には、必要な実験器具を購入する予定である。
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Research Products
(6 results)