2014 Fiscal Year Research-status Report
重度・重複障害児を対象としたeラーニングシステムの基礎的研究
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25330430
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
竹島 久志 仙台高等専門学校, 情報システム工学科, 教授 (80216887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 克浩 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育情報部, 総括研究員 (60509313)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | eラーニング / アクセシビリティ / 特別支援教育 / 重度・重複障害児 / タブレット端末 / HTML5 / スイッチ教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、重度・重複障害児(主として知的障害と重度肢体不自由を併せ有する児童生徒)を対象としたe ラーニングシステムの実践的研究の準備として、(1)学習管理システムにアクセシビリティ機能や学習評価機能を組み込み、(2)学習コンテンツを開発することにより、実践研究用のeラーニングシステムを構築することである。平成26年度は、以下の3項目について実施した。 1.タブレット端末に対応した学習コンテンツの開発: タブレット端末を含む様々な情報端末でeラーニングシステムが利用できるようにするために、HTML5+Javascriptを用いた学習コンテンツ(スイッチ教材)を試作し、その際の技術的課題を解決した。平成26年度は、既存の学習教材の移植を中心に9作品を作成した。また、iOSで外部スイッチ操作ができないという技術的課題を解決する方法を開発した。 2.学習コンテンツの制作・調整システム関する基礎的研究: 学習者の障害状況に合わせて、アクセシビリティや学習コンテンツを調整する必要がある。平成26年度は、そのための基礎的研究として、重度・重複障害児のための学習コンテンツに必要な機能の分析を実施した。具体的には、既存の学習コンテンツをマイクロソフトパワーポイントで再現し、その際に使われた機能を分析・整理した。また、本研究成果を元に、特別支援学校教員等が学習コンテンツを制作するための講習会を実施した。 3.開発した学習コンテンツの公開: 上記第1項開発した学習コンテンツをWebサーバ上で一般に公開した。これらは、タブレット端末を含むWebブラウザ上で動作し、誰でも利用可能である。また、上記第2項で開発した、マイクロソフトパワーポイントによる学習コンテンツは、制作マニュアルという形でWebページ上で一般に公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度中半より、タブレット端末に対応するために計画を変更したため、やや遅れている。タブレット端末でも動作する学習コンテンツを試作し、技術的課題を解決できた。学習コンテンツはWebサーバで公開し、実際に利用できるようにした。しかし、学習管理システムの構築およびアクセシビリティ機能の追加には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、(1)学習評価データ記録システムの研究開発、(2)学習コンテンツの制作・アクセシビリティ調整システムの研究開発、そして、それらを組み込んだ(3)学習管理システムの開発を実施する。これらの研究開発にあたり、特別支援学校教員等にシステム評価に関する研究協力を求める。以上により、重度・重複障害児に対応したeラーニングに関する実践的研究に用いるeラーニングシステムを完成させる。
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Causes of Carryover |
予定していたソフトウェアの購入が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費または旅費として利用する。
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