2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330432
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 知適 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00345068)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲームプログラミング / 機械学習 |
Research Abstract |
本研究課題の目標は,直感や大局観などの言葉で表される人間の判断の根拠の概要を,計算機の分析を通じて言語や図で明示的に表現する手法を研究することである.対象とする分野は,計画の通り,人工知能の判断力が熟達した人間の判断力に追いついたことを重視し,将棋や囲碁を扱うこととした. 平成25年度の計画は,棋譜とその解説を精査し,どのような展開が解説としてとりあげられるかを,統計的に調査することであった.予定のとおりに,将棋のプロ棋士の棋譜約500局を対象に,各局面におけるコンピュータの思考と解説との対応を分析した.将棋についてはインターネットで棋譜中継が行われた棋譜で,各タイトル戦と予選を中心とするプロ棋士同士の対局を,実力に実績のあるオープンソースプログラムとして,GPS将棋とBonanzaを用いて分析した.また囲碁については,現在コンピュータ囲碁で主流の手法であるモンテカルロ木探索と人間の判断との関係を予備的に調査した. 加えて2013年4月に行われた第二回電王戦第五局でGPS将棋と三浦八段(当時)の対局に,研究代表者もGPS将棋開発チームの一員として参加し,特に計算機約700台を用いた分散計算に注力した.人間とコンピュータ・プログラムの思考の違いを知るためには,人間同士の対局の分析だけではなく,人間とコンピュータ・プログラムの対局を分析することも不可欠である.しかしコンピュータ将棋プログラムとプロ棋士の対局は今のところ数が少なく,A級棋士との対局はこの時が初めてであった.この貴重な機会を無駄にすることのないよう,計算機約700台の思考を詳細に記録し,対局後に分析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
棋譜の分析については,計画通りに進んでいる.注目度の高かった第二回電王戦第五局の思考記録の分析については、成果の一部を情報処理学会会誌の解説記事で発表したほか,新聞や雑誌等でも概要が掲載された.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの分析結果を活用して計画の通りに研究をすすめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1円単位で使い切ることも可能ではあったが、残額は全体の0.3%未満であり、次年度の予算と合わせて活用したほうが予算と研究時間の有効活用であると判断した。 有効に活用可能である。
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Research Products
(5 results)