2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25330439
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河合 隆史 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90308221)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 立体視映像 / 情緒表現 / コンテンツ / 情動価 / 覚醒度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、立体視(3D)映像を、エンタテイメントや文化を支える新たなメディアとして確立するために、「3D映像ならでは」の情緒表現を可能とする、機能的な奥行き感の演出アプローチを提案する。具体的に、立体視映像コンテンツに含まれる両眼視差を定量化し、体験者の感情との対応付けを行うことによって、その制作手法を、疲労や負担を回避する消極的なものから、より高次のパラダイムに到達させることを目的とする。 前年度までの成果として、感情を喚起する大規模なカラー写真セットを対象として、両眼視差を付加する3D化技術を用いた実験的な検討を行った。結果から、いずれの感情においても3D化によって覚醒度が上昇し、その奥行き方向の再生範囲を拡大する視差操作によって、その傾向が増進することを認めている。加えて、感情画像による覚醒度の増進に伴う時間知覚の変化に着目し、3D表現による覚醒度の増進と評価時間の延長傾向について基礎的な知見を得た。 これに対して本年度では、昨年度まで使用していた静止画の代わりに、動画による2種類刺激映像(アクティブおよびリラックス)を試作し、提示方式として広視野・高解像度で表現する3Dマルチディスプレイを構成した。これらを用いた際の3D表現による覚醒度の増進と、時間知覚への影響を検証した結果、2D、3Dという両眼視差の有無、アクティブ、リラックスという刺激内容、3Dマルチディスプレイおよび提示時間という、各要因の及ぼす主効果と交互作用に関する特徴的な傾向を認めることができた。
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