2013 Fiscal Year Research-status Report
海水からサンゴ各部位へのメタロミクスとその環境応答
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25340013
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Azabu University |
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Principal Investigator |
伊藤 彰英 麻布大学, その他部局等, 教授 (60273265)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 彦北 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (90422790)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | サンゴ / 海水 / メタロミクス / 微量金属 / ICP-MS / 濃縮安定同位体 |
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| Research Abstract |
本研究では、海域のサンゴ採取と生育環境を制御した海水槽を用いた飼育実験により海水及びサンゴ各部位（軟組織、褐虫藻、骨格、粘液）における微量元素の含有量と各元素間の関連性の特徴を多元素プロファイリングアナリシスにより明らかにし、生育環境の違いが各部位の微量元素の摂取、代謝、蓄積に与える影響をメタロミクス的観点から考察し、モデル化を行うことを目的する。平成25年度は次のことを実施した。
1.サンゴ及び海水のサンプリング
沖縄本島北部本部町の琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底実験所付近の海域でハマサンゴ、アザミサンゴを採取し、褐虫藻の単離の条件検討、粘液の採取、骨格の採取を行い、多元素プロファイリングアナリシスのための準備を行った。海水のサンプリングも行った。
２．褐虫藻と海水の多元素プロファイリングアナリシス
褐虫藻に関してはサンゴ骨格と軟組織の分離条件を検討した結果、アザミサンゴ120ポリプから13 mgを単離することができ、マイクロ波加熱分解法/ICP-MSを主成分元素から微量元素まで17元素の定量を可能にした。特にFe, Zn, Cdは海水濃度と比較して著しく高く、生物濃縮係数が100000以上であった。また、ZnとCdは軟体部に比べても数倍ほど高濃度であった。海水については瀬底島礁池内と礁池外の数カ所でサンプリングし、キレート固相抽出／ICP-MSで測定を行った。その結果、Zn濃度に特色が見られ、サンゴの被度が比較的高い地点では礁池外の方が高濃度を示した。この結果からZnは礁池内ではサンゴ礁生物に摂取されて濃度が相対的に低かったことが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は大学を異動したため、研究室の立ち上げ等に時間を要し、当初の計画にようにはなかなか進行しなかった。しかし、褐虫藻と海水に関しては当初の予定以上の知見が得られた。
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| Strategy for Future Research Activity |
前年度やり残したサンゴ骨格と粘液について多元素プロファイリングアナリシスを行う。Zn, Cu, Cd, Pbなどの濃縮安定同位体を添加した海水中でサンゴを飼育し、ある一定期間後のサンゴ各部位（粘液も含む）を取り出し、その同位体比をICP-MSで測定することで、微量金属元素の海水からサンゴへの摂取、代謝、蓄積のプロセスを追跡するトレーサー実験を行う。このときのサンゴの飼育海水について、水温の変化、栄養塩量の増減、褐虫藻の有無などの条件の変化を与えることを考えている。この実験は琉球大学熱帯生物研究センター瀬底実験所で行い、現地でサンゴを部位別に分離処理することまで行う予定である。処理後の試料は麻布大学に持ち帰って分析を行う。また、骨格については産業技術総合研究所のレーザーアブレ-ションICP-MS法により骨格表面の変化を確認する予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は琉球大学から麻布大学に異動したため、研究室の立ち上げ等に時間がかかり、研究開始がやや遅れた。平成25年度に行う予定だった一部の研究を平成26年度に行うため、次年度使用額が生じた。
サンゴ骨格のレーザーアブレ-ションICP-MSによる分析及びサンゴ粘液に分析に必要な消耗品費に用いる。また、サンゴのサンプリングや研究打ち合わせ旅費にも使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Spatial and temporal variations of chemicals in the TSP aerosols simultaneously collected at three islands in Okinawa, Japan2014
Author(s)
Takemitsu Arakaki, Sotaro Azechi, Yuka Somada, Moriaki Ijyu, Fumiya Nakaema, Yuya Hitomi, Daishi Handa, Yoshito Oshiro, Youichi Miyagi, Ai Tsuhako, Hitomi Murayama, Yumi Higaonna, Akira Tanahara, Akihide Itoh, Soko Fukushima, Kazuaki Higashi, Yui Henza, Rin Nishikawa, Hibiki Shinjo, Hongyan Wang
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Journal Title
Atmospheric Environment
Volume: in press
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