2014 Fiscal Year Research-status Report
グローバルにおけるメタン放出異常地域の原因分析とメタン収支の推定
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25340014
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Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
PARK JongGeol 東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (40337770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 壽永 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), その他 (10573165)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタン / 地球温暖化効果ガス / メタン放出濃度 / SCIAMACHY |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではメタン放出濃度を求めるために陸域のメタン濃度とバックラウンド濃度(同緯度の海域のメタン濃度)との差を提案した。メタン放出濃度が高い地域がメタンソースである。メタンソースと世界土地被覆図との比較によって東南アジアの水田地域と中央アフリカの熱帯雨林と南米の熱帯雨林が主なメタン発生源であることがわかった。 東南アジアの水田におけるメタン放出濃度と植生指数(EVI)との正の相関が強いことがわかった。植物の光合成活動が活発になるにつれメタン放出濃度も増加している。主に植物の蒸散活動による影響であると考えられる。中国南部の水田では8月に90ppbを示した。 熱帯雨林は年間のEVIが0.5と高くあまり変化しない。しかし、メタン放出濃度は10月から3月まで高く6月に低くなる。また、EVIとの高い相関が見られない。そこで、南米の熱帯雨林のメタン放出濃度と降水量との相関を調べた。その結果、熱帯雨林ではEVIより降水量の方が高い相関を示した。熱帯雨林では植生活動によるメタン生成よりは雨季の嫌気性菌によるメタン生成が多いと考えられる。衛星によって得られた熱帯雨林の地表面水指数とは地面ではなく植物の葉の水分状態を示すため本研究では降水量データを用いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタン放出濃度を求めることによって、既存の水田以外に赤道付近の熱帯雨林で多くメタンが発生していることがわかった。水田以外のメタン発生源がわかったためIPCCのメタン収支の計算を変える必要がある。本研究の大きな目的の一つがメタン発生源の抽出である。また、メタン収支における発生量の推定はこれから研究を行うため概ね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進め方は、メタン発生濃度からメタン発生量を計算することである。また、2007年からメタン発生が増加した原因をこれから雨との因果関係について調べる必要がある。
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Causes of Carryover |
国際論文誌への論文提出が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年10月に提出した内容にもう少し論理的な証拠を乗せる必要がある。もう一度論文を提出する予定である。
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