2013 Fiscal Year Research-status Report
衛星を用いた都市域におけるPM2.5濃度の広域分布推定
Project/Area Number |
25340019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐野 到 近畿大学, 理工学部, 教授 (10247950)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | PM2.5 / AOT / GOSAT / CAI / AERONET / DRAGON-Japan / エアロゾル |
Research Abstract |
本研究テーマである「衛星を用いた都市域におけるPM2.5濃度の広域分布推定」において次の2段階の小テーマの実施が必要である.第1段階:都市域におけるエアロゾルの光学的厚さ(以下AOT)に関する分布を導出とその精度評価,第2段階:AOT分布からのPM2.5濃度分布推定とその精度評価である.以下にこれらの実績概要を示す. 「第1段階の実績概要」 本研究では国立環境研究所(以下NIES)より提供を受けたGOSAT衛星CAIデータを用いた.GOSAT/CAIの特性を活かしたAOT分布導出手法を構築し,2012年3月~5月における晴天日の大阪平野上空のAOT分布を推定した.得られるAOT推定分布に対して,精度評価を行った.その際,近畿大学と米国NASAが中心となり2012年春期に西日本,大阪平野を中心として実施したエアロゾル計測実験(DRAGON-Japan 2012)のデータを用いた.GOSAT/CAIデータから導出したエアロゾルパラメタ,基準波長におけるAOT,粒径情報,一回散乱アルベドのうち,AOTと粒径情報を用いて,AERONET計測波長(380, 440, 500, 670, 870 nm)におけるAOTへ変換,比較しRMS値(約0.09)を得た. 「第2段階の実績概要」 NIESのII型共同研究によるPM2.5計測データ,また同時に計測のNIES ADNETライダーデータを併用して,衛星導出AOT分布から地上のPM値への変換を行った.衛星導出PM値と地上計測のPM値のRMS値は約5.5 ug/m3であった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で示したように,初年度において本研究のメインパートである第1段階,第2段階のそれぞれで良好な結果(衛星からの推定精度)を得たため.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度では,近年整備中の自治体等によるPM2.5計測器情報を収集し,衛星からのPM2.5分布との比較検証を実施すると同時にアルゴリズム改訂を行ってゆく.また,AERONET測器を配置中の他都市(福岡県福岡市近郊)においても本手法の適用を試みる.長期的な視点では,PM2.5分布の把握には,静止軌道の衛星が有利なため,新たな静止気象衛星ひまわり8号のデータを用いた手法についても検討を行う予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
GOSAT/CAIによる全球データを入手予定であったが,インターネット経由で受領のため,データ配送遅延により受領量が減った事,仏CNESによるPARASOL/POLDERレベル1データの更新処理が平成26年度実施と決定したことにより,データ処理用HDD,バックアップ用磁気テープ費用などを次年度に繰り越したため. データ入手に応じて,適時処理に必要なメディア等を購入する予定である.
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
[Presentation] Regional and transported aerosols during DRAGON - Japan experiment2013
Author(s)
I. Sano, B. N. Holben, S. Mukai, M. Nakata, T. Nishizawa, N. Sugimoto, T. Takamura, T. Takemura, J. Schafer, T. F. Eck, M. Sorokin, P. Kenny, T. Fujito, T. Hiraki, N. Iguchi, K. Kouzai, M. Kuji, K. Muramatsu, Yo. Okada, Ya. Okada, Y. Sadanaga, S. Thono, Y. Toyazaki, M. Yonemitsu
Organizer
America Geophysical Union fall meeting 2013
Place of Presentation
San Francisco, USA
Year and Date
20131210-20131210
-
[Presentation] Development of aerosol algorithm for GCOM-C product2013
Author(s)
Itaru Sano, Sonoyo Mukai, Makiko Nakata, Brent N. Holben, Oleg Dubovik, Alexander Kokhanovsky, Yohei Shinozuka, Kirk Knobelspiesse, Robert Levy, Brian Cairns
Organizer
ICAP 5th meeting
Place of Presentation
Tsukuba, Japan
Year and Date
20131107-20131107
-
-