2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of cellular protein aggregates involved in the expression of harmful heavy metal toxicity.
Project/Area Number |
25340051
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高田 耕司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30179452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 尚志 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80350388)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 有害重金属 / タンパク凝集体 / カドミウム / 細胞毒性 / ユビキチン化タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は平成25年度から現所属に赴任し、研究環境の整備を進めながら本研究を遂行した。研究計画Ⅰ「凝集体構成成分の全容解明」においては、複数の株化細胞の中から、ヒト腎近位尿細管由来HK-2細胞とヒト網膜色素上皮由来RPE-1細胞をモデル細胞として選定した。有害重金属としては、各種細胞に対して類似した細胞内タンパク質の凝集現象を誘起したカドミウム(CdCl2)を用いた。タンパク凝集体の抽出・定量・分画・分析に関しては、省力化と再現性の向上をはかるため、可溶性成分用の抽出液の組成を変更し、凝集タンパク質の分画を改善した。また、凝集タンパク質の同定には、高分解能のHPLC/Q-TOF(maXis 3G, Bruker)によるショットガンプロテオミクスを軸とする手法を導入した。現在、同定された成分を後述の時間軸の観点から整理中である。 研究計画Ⅱ「タンパク凝集体の形成機序の解明」では、安定同位体標識アミノ酸を用いた細胞培養系を導入し、時間軸の観点からタンパク凝集の現象を分析した。すなわち、SILAC(stable isotope labeling using amino acids in cell culture)のプロトコールにもとづき、腎近位尿細管由来HK-2細胞の培地に13C6 L-lysineおよび13C6 L-arginineを経時的に加えて細胞内タンパク質を標識後、カドミウム曝露の作用を分析した。SILAC実験の結果、カドミウム曝露の初期過程では新生タンパク質を含む幅広いタンパク成分が凝集するがその後、既存タンパク質の凝集が促進されていくことが示唆され、質的に異なる段階を経て凝集が進むと推定される。 この他、本研究手法の汎用性を向上させるため、簡便かつ定量的な細胞内タンパク質の凝集アッセイ系を構築した。今後、他の重金属等の評価に適用する計画である。
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Research Products
(1 results)