2015 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブル反応場に着目した高効率超音波分解技術の開発
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25340072
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
興津 健二 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60295095)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超音波 / キャビテーション / ソノケミストリー / 高効率化 / 無機塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
水溶液に無機塩を添加して超音波照射した場合、生成されるキャビテーションバブルの温度や数、大きさが変化している可能性が示唆されたため、超音波照射実験の条件をより厳密に制御して、無機塩の添加効果について詳しく検討した。例えば、超音波照射に伴う溶液温度の上昇、サンプリング時間、サンプリング量を考慮・改善して実験を行った。さらにt-ブチルアルコールなどのアルコールを加えた水に超音波を照射すると、アルコールが熱分解されてメチルラジカルが生成され、それらが再結合することでエタン、エチレン、アセチレン等の様々なガスが生じるが、これらの生成速度温度依存性を利用してバブルの温度を測定した。その結果、塩化ナトリウム濃度が高くなるほどバブルの温度が低下する傾向がみられた。また、アルコールの分解によって生成されたガスの量は、無機塩の添加によって減少する傾向がみられた。この理由として、溶解度の大きい二酸化炭素ガスの生成がキャビテーションバブルの生成・崩壊に影響を与えているものと示唆された。さらにバブルの温度が無機塩の添加によって低下しているにもかかわらず、クロロフェノールの超音波分解速度が低下しないことから、無機塩の添加によりクロロフェノールが分解反応場であるバブルに集まっていることが示唆された。さらに無機塩の添加により、クロロフェノールの分解生成物の量と種類が変化することが高速液体クロマトグラムの解析より確認できた。
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