2014 Fiscal Year Research-status Report
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25340073
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小越 澄雄 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60134459)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 可視光活性光触媒 / 内蔵電位 / 二酸化チタン / 酸化銅 / 銅 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.酸素欠損型二酸化チタン光触媒(TiO2-x/TiO2)の可視光活性光触媒性能のプラズマプロセスによる酸素欠損作成時のプロセスパラメータ依存性(マイクロ波入力依存性)についての実験結果をまとめ論文として発表した。また、酸素欠損度と触媒性能との関係を実測した。この結果は国際学会で発表する予定である。 2.二酸化チタンに銅酸化物を酢酸銅からの光析出により担持した場合の可視光活性光触媒性能の銅担持量依存性を測定し、その最適値を見つけた。また、二酸化チタン薄膜の前処理として水素プラズマで処理を行うと可視光活性光触媒性能が向上することを見いだした。現在までに得られている最高性能は市販の可視光活性光触媒(石原産業、MPT623)の約4倍である。 3.銅板、酸化銅、二酸化チタンを層状にし、可視光吸収・電子とホール生成を酸化銅で行わせ、二酸化チタンと銅とのショットキー接合(または二酸化チタンと酸化銅のpn接合および酸化銅と銅のショトキー接合)による内蔵電位で電子とホールを分離し(再結合を防ぎ)性能を向上させる実験を行った。この結果、可視光照射時に起電力が発生すること、また高い可視光活性光触媒性能を示すことが分かった。この結果をまとめ論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度研究実施計画では、①TiO2-x/TiO2光触媒が、何故、我々が用いた酸素欠損TiO2-x 薄膜作製装置(プラズマ表面処理装置)においてマイクロ波入力200W近辺で最大性能を出すのかを調べること及び、②層状TiO2/CuxO/Cu可視光活性な光触媒の各種作製法と各種測定法を調査し、より一層の高性能化を目指すとしていた。①に関しては酸素欠損度を実測し、酸素欠損度に最適値があることを示した。また数値解析により酸素欠損度が大きくなりすぎると、価電子帯と伝導帯の間に酸素欠損準位が通常の場所に加え新たに生成されることを予見した。我々はこの準位が電子とホールの再結合を促進し性能低下を引き起こすと考えている。②に関しては、酸化銅の生成法として焼結の他に二酸化チタンの光触媒効果を用いた生成法を試み、この方法がより高性能な可視光活性光触媒を作製できることを示した。以上から、また研究実績の概要で述べたようにほぼ達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
①TiO2-x/TiO2については、数値解析が予想する新たな酸素欠損準位発生時の酸素欠損度と実験結果との間に差がある。我々は、酸素欠損度には空間分布があるためこの差が発生した可能性があると考えている。このことについて研究を進める予定である。②層状TiO2/CuxO/Cu可視光活性な光触媒については、現在のところ作製パラメータの最適値が不明である。そこで、最適な作製パラメータを探索する予定である。また、内蔵電位と可視光活性光触媒性能、可視光吸収特性と可視光活性光触媒性能との関連についても調べる予定である。加えて、銅箔(銅テープ)を用いて可視光活性光触媒を作製可能と考えている。この場合、壁紙を直接作製でき、極めて実用的であると思われるのでその研究も進める予定である。
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Causes of Carryover |
約4万円の繰り越しがでた。予算が必要な時を考えて、研究室の予算を先に使用し、科研費を後期のために残してしまった結果である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この研究では、多量の消耗品を必要とするので、消耗品費として有意義に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)