2014 Fiscal Year Research-status Report
鉄酸化物分別溶解法を用いた土壌から地下水への砒素溶出メカニズム解析手法の開発
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25340079
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| Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
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Principal Investigator |
石山 高 埼玉県環境科学国際センター, その他部局等, 研究員 (80297621)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱元 栄起 埼玉県環境科学国際センター, その他部局等, 研究員 (40511978)
八戸 昭一 埼玉県環境科学国際センター, その他部局等, 研究員 (70415397)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 地下水汚染 / 砒素 / 逐次化学抽出 / 溶出メカニズム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、土壌から地下水への砒素溶出メカニズムの解析手法として有用なジチオナイトクエン酸塩抽出法（DC法）について、抽出溶媒の最適化と抽出時間の迅速化について検討を行った。検討の結果、抽出溶媒として使用するクエン酸ナトリウムの濃度を0.25wt%以下に設定すると砒素の抽出率が低下し、逆にクエン酸ナトリウムの濃度を7wt%以上に設定すると鉄の抽出率が低下する傾向を示した。砒素の溶出メカニズムを解析するためには、砒素及び鉄の抽出濃度の相関関係を確認する必要があることから、クエン酸ナトリウムの最適濃度は1～5wt%であることが判明した。また、砒素及び鉄の抽出率から、抽出操作時に添加するジチオナイトの最適量は土壌試料0.5gに対して少なくとも0.2g以上必要であることが分かった。
上記の結果を基に抽出時間の迅速化について検討したところ、室温条件では約３時間の連続振とうで砒素及び鉄の抽出率は概ね100％となることが分かった。DC法の抽出時間は従来16時間と設定されており、本研究結果から抽出時間は約1/5以下に短縮できることが判明した。更なる抽出時間の迅速化を達成するために、加温抽出（50～60℃）を行ったところ、僅かに抽出時間が短縮され、約１時間の抽出で概ね100%の砒素及び鉄が抽出されることが分かった。超音波を照射して抽出操作を行うことにより、抽出時間の迅速化を試みている研究も数多く報告されているが、本研究では超音波照射の効果は認められず、抽出時間の短縮は確認できなかった。
土壌中の鉄酸化物としては、フェリハイドライト、ゲータイト、ヘマタイトが存在するが、それぞれの鉄酸化物に対して抽出実験を実施したところ、どの鉄酸化物でも1～3時間の抽出操作で砒素及び鉄は十分に抽出されることが確認できた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の一つである、鉄酸化物分別溶解法の簡略化及び迅速化を今年度に達成していることから、おおむね順調に進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に、砒素溶出メカニズムとして適用可能な鉄酸化物分別溶解法の選定を行い、平成26年度には、その鉄酸化物分別溶解法（DC法）の簡略化及び迅速化について検討を実施した。平成27年度は埼玉県内で地下水砒素汚染が認められている地域の地質試料を掘削採取し、この地質試料を用いて本研究で選定した鉄酸化物分別溶解法（DC法）を実施しすると共に、当該地域の砒素溶出メカニズムを解明し、得られた知見や情報を埼玉県の各行政機関に提供する。
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| Causes of Carryover |
平成26年度は、先行して鉄酸化物分別溶解法で使用する抽出溶媒の最適化及び抽出時間の迅速化について研究を行ったため、地質試料の掘削採取は実施しなかった。平成25年度及び平成26年度で得た研究成果を基に、最終年度で地質試料の掘削採取を行う。掘削採取には多額の費用を要するため、平成26年度の繰越金と平成27年度の予算を利用して、最終年度に掘削作業を実施する。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
埼玉県内で地下水砒素汚染が認められている地域において、地質試料を掘削する。その際の業務委託費として繰越金を利用する。
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Research Products
(2 results)
