2013 Fiscal Year Research-status Report
海-運河-河川を通し回遊する生物の動的な生息場適正を評価するシステムの開発
Project/Area Number |
25340113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
古川 恵太 横浜国立大学, 統合的海洋教育・研究センター, 客員教授 (00356031)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マハゼの空間分布 / 閉鎖性内湾の環境評価 |
Research Abstract |
平成25年6月―10月に東京湾環境一斉調査(東京湾再生推進会議)と連携し、マハゼの住み処調査を実施して、東京湾における16か所(平潟湾、横浜港、鶴見川、多摩川、京浜運河、お台場、隅田川、隅田川~荒川、荒川、浦安市、船橋市、江戸川放水路、千葉市(花見川)、盤洲周辺、木更津市、富津市)から延べ117調査、約2,100匹分の全長データを得た。これらのデータを精査し、成長パターンを分類したところ、3類型に分類された。対象生物の生息状況だけでなく、実験実施への関係者の理解、許可関係の取得の可否なども含め、実験サイトとして、平潟湾、横浜港(帷子川、大岡川)、多摩川、浦安(境川)が候補として絞り込まれてきた。 MEL1D-MBモデルの改良および、評価手法の概念設計については、関連の情報を収集している段階である。モデルについては、京浜運河を対象としたバロトロピックモデルの構築を試みているが、具体の水質データとの検討まで実施できていない。評価手法については、HISモデルを基本とした評価スキームに、時間的な変化、空間的な広がりを評価する項目を追加するアイデアを試行中である。 調査結果については、世界閉鎖性会議(EMECS10)において口頭発表した他、論文として取りまとめ中である。評価については、東京湾再生推進会議のワークショップ等で発表、意見交換を行った。その成果は「東京湾環境マップ」等に収録され、広く一般に公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的に記されている生物の資源量の簡易測定法の開発の内、マハゼについては、予定した調査データを上回る資料の収集が進められており、順調に実施できている。しかし、ウナギについては、調査手法の試行場所の確定・確保が難しく、25年度中の調査場所確定ができなかったため、調査計画の若干の遅れが生じている。モデルの改良、評価手法の拡張については、おおむね予定通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画については、当初予定通り変更せず、研究を推進していく。特に、生物生息状況の把握においては、選定された場における周年の観測を実施するとともに、年度間の変化を追跡できるよう、マハゼの継続モニタリングを実施していくとともに、ウナギの調査手法の試行を目指す。モデルの改良においては、実験場所周辺へのモデルの適用を念頭に、実証計算の実施、精度向上を図る。評価手法については、説明変数間の相関関係に着目し、詳細設計の段階に進める。
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