2013 Fiscal Year Research-status Report
人間活動が都市生態系の窒素循環に与える影響の診断手法の開発と予防的治療策の探求
Project/Area Number |
25340122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
劉 晨 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (70425495)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 都市化 / 地域窒素収支 / 水環境 / 食生活 / 人間活動 / 持続性 / 循環型社会 |
Research Abstract |
2013年8月15~23日の間に中国科学院地理科学・資源研究所の中国側カウンターパートの協力により、北京市の市区、郊外および農村地域の住民を対象に、食生活の現状、今後の消費指向、トイレの様式、生活排水の排出ルートなどについてアンケート調査を実施した。農村地域では、各地域で実際行われている農作法、すなわち、各化学肥料の施用割合/施用方法、農副生産物や家畜排泄物の再利用状況などについても調査を行った。また、産業連関表と環境統計年鑑を用いて、産業構造の変化を分析するとともに、その変化が地域窒素負荷に与える影響を分析した。さらに、1980-2010年の各年の人口、各産業の生産量・生産額、各作物生産量などの統計データも入手し、窒素収支に関するデータベースの構築にむけて着々と進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
厳しい国際情勢の中、予定通りに現地調査を実施できたこと、また、1980-2010年の5年毎の産業連関表を入手し、対象地域の生活スタイル(食生活、家庭衛生設備、交通手段)と生産スタイル(農業、工業、サービス業)の現状とその変化を定量的に把握することができたことから、現在までの達成度についてはおおむねに順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は都市化に伴う人々の生活スタイルと生産スタイルの変化がどれほど地域の窒素循環や水環境に影響を及ぼしているかを定量的に解明し、物質循環の視点から地域環境問題や持続性の診断を行い、予防的治療方策を提言する。 ただ、課題が一点残されている。現状では、北京市及び周辺地域の大気からのWet/Dry窒素沈降量データや北京主要河川の水質指標(TN、NH4+など)の経年変化のデータなどが大変入手困難な状態となっている。これらのデータがないと、地域の窒素収支は不完全な状態となってしまう恐れがある。対策として、北京と同様なメガシティ上海市では、先行文献中に大気窒素沈降量、主要河川の水質指標などが公表されているため、上海市も視野に入れて研究を進めていく予定。
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Research Products
(4 results)