2014 Fiscal Year Research-status Report
Halomonas属の新規PHA合成酵素の活性構造相関の研究
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25340128
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
水野 康平 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 准教授 (80342583)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PHA / ポリヒドロキシアルカン酸 / Halomonas / 活性構造相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、申請者は、Halomonas属のPHA合成酵素PhaCの活性中心に特異な配列を見出したので、この配列の相違(G→S)がPHAの物性にどのような変化を与えるのか、検討するために、活性中心のアミノ酸を部位特異的に変異させた変異株を作製することに成功した。独自分離株のHalomonas sp. O-1および登録標準株Halomonas elongata DSM2581の各々について、[S-Y-C-V-G]→[S-Y-A-V-G]および、[S-Y-C-V-G]→[G-Y-C-V-G]のアミノ酸置換を施した変異株2種の取得ができた。すでに、いくつかの物性に対しての影響があることを確認することができた。 また、本年度の目標であったプラスミドの構築と形質転換の方法の確立に成功した。効率を今後高めていくことが必要だが、遺伝子導入は可能となったので、欠損や相補株などの作成が可能となった。 また、目標として掲げていないものの、新たな発見として、本株が、中鎖脂肪酸を効率よく取り込む系を有している可能性があった。通常、中鎖脂肪酸は細胞膜を破壊することから、細胞毒性があり、PHA合成の基質として不向きであるとされてきたが、脂肪酸をモノマー単位として合成できれば、様々な修飾を施して機能化した脂肪酸をポリマーへ織り込むことが可能と考えられるので、脂肪酸の取り込み系は価値のある発見であったと考えられる。今後、別途、ゲノム解析が可能となれば、有用な取り込み系遺伝子をクローニングできる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請計画を達成できたと考えている。今年度は、Halomonas株の遺伝子導入についてプラスミドの構築とその形質転換を試行することが主な課題であったが、そこを達成できたことが大きいと考えている。その結果取得した細胞の性質については次年度の研究になるが、申請計画に沿って次年度の計画に進むことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の計画は、予定通り遂行できたので、27年度は、形質転換株の培養系を組み上げて、ポリマー生産、精製したポリマーの物性解析(分子量、共重合)をHPLC、GC、NMRを用いて行っていく。また、PHA合成遺伝子群のオペロン内に存在する遺伝子(phaP)について、合成収率に与える影響を検討することも併せて実施していく。
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Causes of Carryover |
研究計画のうち、遺伝子に関連する実験項目が当該年度の主たるテーマであり、支出を最も占めるものであったが、当該年度の進行が当初よりもスムーズにいったために、支出を抑えることができたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度の実験計画のうち、最も経費がかさむと予測される培養系実験、産物の物性解析実験に前年度の差額分を使用する。
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Research Products
(12 results)