2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25340131
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 亘 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球情報基盤センター, 研究技術専任スタッフ (30462500)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 波力エネルギー / 洋上風力エネルギー / 波候 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「数値モデルを用いた波力エネルギーのマップ化」と「近年の地球温暖化の停滞傾向に関わる波浪の活動度の弱化」についての研究を進めた。「数値モデルを用いた波力エネルギーのマップ化」は二つのケースについて行った。それは、1.気象庁の現業波浪予報データを用いたマップ化と2.波浪モデルと複数の海上風データを用いたマップ化である。 (1) NOWPHASの現場観測波浪データとの比較を行い、誤差の季節性やその要因について調べた結果を国際学会(GRE2014)とプロシーディングで発表した。 (2) 複数の海上風データを外力として波浪モデルを駆動して波力エネルギーを推定した。また、異なる波浪モデルの物理スキームを用いて波力エネルギーを推定することで、物理スキームの違いによる波力エネルギーの不確実性についても検討を行った。さらに、洋上風力エネルギーの推定も行った。洋上風力エネルギーの推定には海面の粗度の推定が必要であるが、波浪の影響を考慮して(波浪モデルを用いて)推定した。従来の洋上風力の推定では波浪による粗度は時空間的に一定であるという仮定を用いることが多いが、本研究では波浪の影響によって時空間的に変動する効果を考慮した点でより現実的な推定に近づいたと言える。研究成果の発表は主に平成27年度に行う予定である。 「近年の地球温暖化の停滞傾向に関わる波浪の活動度の弱化」は波力エネルギーの長期的な変化についての科学的な理解と予測を行う上で重要であるため、再解析データおよび数値モデルを用いた実験によってそのメカニズムを明らかにした。研究成果は国内・国際学会発表および学術論文として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
気象庁の現業波浪モデルを用いた波力エネルギーの推定と検証については国際学会で研究発表を行った。また、数十年規模の波浪の活動度の変化傾向について気候学的な視点からの解析を行い、学会発表および学術論文として発表した。しかしながら、数値波浪モデルと複数の海上風データを用いた波力エネルギーの推定については、数値実験に予定よりも多くの時間を要したため、解析がやや遅れた。そのため、複数の海上風による波力エネルギーの推定に関する研究発表をできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の海上風データを用いた波力エネルギーの推定に関する数値実験は9割程度完了したため、引き続き計算と解析を行う。研究成果を取り纏めると同時に平成27年度に学会発表と論文出版を行う。
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Causes of Carryover |
数値実験に予定よりも時間を要し、データ解析用のハードディスクを購入を見送ったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会3回分の参加費・旅費、論文投稿料、データ解析用のハードディスクの購入に充てる。
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