2014 Fiscal Year Research-status Report
自然公園の野趣性を保護するための管理計画に関する研究
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25340133
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山本 清龍 岩手大学, 農学部, 准教授 (50323473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
愛甲 哲也 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30261332)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 三陸復興国立公園 / みちのく潮風トレイル / 富士箱根伊豆国立公園 / 富士山 / 尾瀬国立公園 / 自然保護 / 観光 / 野趣 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は十和田・八幡平国立公園,三陸復興国立公園,尾瀬国立公園,富士箱根伊豆国立公園の4つの国立公園において調査を実施した。まず,十和田・八幡平国立公園では8,9月に岩手山登山者の事故リスクに対する意識とリスクマネジメントに関する調査を行い391人から回答を得た。その結果,登山口等で事故リスクに関する情報提供を強化するなど安全登山の推進のための取り組みの必要性が示唆された(未公表)。また,Webサイトの口コミ分析と来訪者への意識調査を通して八幡平市の魅力について把握し(久慈沙織・山本清龍・坂拓弥,2014),十和田・八幡平国立公園の魅力の一部と位置づけて検討した。次に,三陸復興国立公園では,7月に種差海岸地域において来訪者の「みちのく潮風トレイルへ」の利用意向を把握する現地調査を実施した(未公表)。また,岩手県釜石市において東日本大震災後の観光の実態を把握し(坂拓弥・山本清龍・久慈沙織,2014),三陸復興国立公園の活用方策を検討する基礎資料と位置づけた。さらに,尾瀬国立公園については文献調査を実施し,2012年のフィールド調査の分析結果と併せてとりまとめ,雑誌論文(査読付き)の形にして公表した(山本清龍・北畠恭子,2014)。また,自然保護運動の発祥の地としての歴史性,その価値について検討した(山本清龍・トマス・E・ジョーンズ,2014)。最後に,富士箱根伊豆国立公園では8月上旬にフィールド調査を実施したほか,これまでの調査成果についてとりまとめて公表した(Thomas E JONES, Kiyotatsu YAMAMOTO, Uichi HAYASHI and Nicholas R JONES, 2014;Thomas E JONES and Kiyotatsu YAMAMOTO, 2014)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度は三陸沿岸部で復興支援活動を展開せざるをえない状況にあり,調査地ごとに進捗状況にばらつきがあったが,2014年度は三陸復興国立公園における調査も順調に実施できたため,進捗状況としてはおおむね順調に進展している。その一方で,登山者数予測モデルと渋滞箇所予測モデルの開発のためのデータ解析はやや遅れており,最終年度の2015年度に実施することになる。なお,解析対象とするデータについては入手できる目途が立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査結果については,雑誌論文等として公表を進めてきており,研究成果の蓄積ができつつある。また,調査を実施したものの,未公表のものについては2015年度に公表すべく準備を進めており,一部は投稿準備中である。研究成果の社会への還元という点では,富士山の管理に強い関与のある国(環境省),県(山梨県,静岡県)と連携する必要があり,2015年度に開発する登山者数予測モデルと渋滞箇所予測モデルの活用について協議の場を設けたい。
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Causes of Carryover |
2013-2014年度は山梨県と静岡県の二県が世界遺産登録にあわせた利用行動調査を実施しており,調査データの共有,連携をはかれるか否か調整する必要があった。そのため,2013年度の研究経費については利用行動調査に必要な経費が温存されたが,2014年度については,調査を質的,量的に十分に実施し,当初予定したとおりをやや超える額の執行となっている。その結果,2013年度に温存された研究経費の一部が2015年度に持ち越される格好となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定どおり,最終年度の調査研究の実施,研究成果の公表等により執行する。
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Research Products
(6 results)