2015 Fiscal Year Annual Research Report
日中韓における都市鉱山政策の妥当性評価-自動車電装品を事例に-
Project/Area Number |
25340134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
劉 庭秀 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (70323087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸敷 浩介 宮崎大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00542424)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境政策 / 日中韓 / 都市鉱山政策 / 資源循環 / 政策評価 / 自動車電装品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日中韓における都市鉱山政策の整合性と妥当性を正確に分析するために、環境省の小型家電リサイクル検討資料で採算性の取れる品目として取り上げている自動車電装品を事例とし、自動車と小型家電リサイクルの関係を考察しつつ、国内外における適正処理、再利用、再資源化の事例研究を行った。 最終年度は日中韓における都市鉱山政策の運用状況と妥当性を比較分析することを主な目的とし、自動車リサイクルにおける電装品流通、リサイクルの実態調査と関連するリユース・リサイクルの政策動向、関連事例分析の結果をまとめた。また、日中韓の自動車リサイクルプロセス(現場、行政、研究機関)の追加調査を行い、フィールドワークの結果をまとめた上、日中韓における都市鉱山政策の比較分析、総合評価を行った。 日本の場合、政府主導で自動車電装品に含まれている貴金属及びレアメタル回収実験を行ってきたが、処理費用と人件費の関係で再資源化が困難な状況である。韓国は、ソウル市、蔚山市などの大都市を中心に小型家電リサイクルを行っており、回収量の増加、広報活動の推進など一定の成果を上げているものの、自動車電装品の適正処理と再資源化は難しい状況である。一方、中国は最近環境汚染防止のために電子雑品の不適正な処理を厳しき規制するようになっており、景気後退の影響で停滞していた都市鉱山事業が再び動き出そうとしている。しかし、資源化技術、人件費上昇、工場立地、補助金頼りの政策運用などの問題があり、新しい都市鉱山事業の政策方針として日中韓の国際連携と第3者評価による事業の妥当性分析を改善策として取り上げている。 このような結果から、日中韓の都市鉱山政策を成功させるためには資源循環の国内完結を目指すことは現実的に難しく、社会、経済、環境、技術、政策環境を総合的に考慮した上、国内外における資源循環プロセスと政策を融合して行くことが重要であると言える。
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