2015 Fiscal Year Annual Research Report
経済モデル分析を中心とした炭素制約が国際競争力に与える影響の学際的分析
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25340135
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
明日香 壽川 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90291955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 炭素制約 / 排出量取引 / 国際競争力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成25年度と平成26年度の研究結果をもとに、連携研究者である盧向春東北大教育研究支援者と共にCASE Globalモデルの基礎構造部分を基本的に完成させた。同時に、国際競争力喪失問題に関する政策的な選択肢として、オプション1:排出枠の有償割当(Full auction)、オプション2:輸出と輸入の両方に対して国境税調整を実施。排出係数を高めに設定(より厳しい国境税調整となる)、オプション3:輸出と輸入の両方に対して国境税調整を実施。排出係数を低めに設定(より緩い国境税調整となる)、オプション4:排出枠の無償割当(Grand-fathering allocation)、オプション5:期末の実際の排出量による排出枠配分(Output-based allocation)などを同定し、それぞれのメリットとデメリットを定性的・定量的に整理した。これらの結果を、今後の温暖化対策の国際枠組みに関する具体的な政策提言の形にまとめ、本の出版や新聞雑誌などへ寄稿した。これらの研究成果に基づいて、1)温暖化対策の喫緊性、2)温暖化対策を考慮したエネルギー・ミックスによる経済成長の可能性、3)国際競争力喪失リスクの過大評価のリスク、4)各地域のエネルギー多消費産業保護政策のメリットとデメリット、5)貿易措置に対する反発が大きい途上国にとって公平性を考慮した政治的受容性がある具体的な制度設計の必要性、などに関して国内外に積極的に発言した。
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Research Products
(4 results)