2014 Fiscal Year Research-status Report
環境資源の「協治」成立のための社会経済・制度的諸条件の検討
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25340145
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三俣 学 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (10382251)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 協治 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.調査について(主たるもののみ抜粋):協治をささえるメカニズムの解明に向けた実地調査として、①熊本県美里町のフットパス事業について視察(4月12日-14日)②9月16-18日 豊田市稲武財産区(9月16-18日)において、それぞれ参与観察・聞き取り調査を実施した。また、北欧の万人権に協治実現のヒントを求めるべく、スウェーデンにおいて森林来訪者に対する対面聞き取り調査を実施し400近くの回答をえた(8月7日-20日)。
2.研究会等・学会活動(主たるもののみ抜粋):①マーガレットマッキーン氏の講義(6月9日-11日)に参加し、日本国内のコモンズ研究者と海外のコモンズ論についての議論をすすめた。またこれに関連する公開シンポジウムを東京大学にて実施し大変有意義な意見交換ができた(7月23日)。②スウェーデンの万人権の文献レビューにつき、林業経済学会(宮崎大学)にて報告を行った(11月8日)。③スウェーデンのアンケート結果の一次集計結果を第日本森林学会北海道大学大会において発表した(3月28日)。④ 当初計画していなかったものの、近年注目されている森林の健康増進効果につきシンポジウムを開催し、三俣は自然アクセス権の観点から報告を行った(2月21日)。⑤協治を考えるうえで、全般にかかわりをもつコモンズ研究会を数回、開催した。
以上、研究計画はおおむね順調に達成してきている。とはいえ、論文公表に向けての準備作業が想定していたより少し遅れ気味である。したがって来年度は、最終成果の公表に重点を置く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査の実施状況・国際シンポジウムの開催・学会発表の実施などにつき、計画以上の成果をあげている。とはいえ、上述通り、研究成果報告とりわけ論文執筆について、少々遅れ気味の感があることは否めない。それゆえ、「おおむね順調に進展している。」という評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研最終年となる本年度、海外フィールド調査としては、英国のパブリック・フットパスおよびコミュニティフォレスト研究を実施する予定である。国内においては財産区研究を続行する。内部結束を生かしつつ外部団体との協業を通じ地域の活性化や環境保全につなげている財産区から、森林管理が進まずまた行政との齟齬が払しょくしきれない問題を抱える財産区など幅広く参加を呼びかけ「財産区セミナー」を開催する予定である。 国際コモンズ学会(カナダ・エドモントンにて開催)や国内の関連学会等で、これまでの成果の真価を問い、そのような機会を通じて得られるであろう批判を吟味しつつ、最終成果報告書の作成に向かう予定である。
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Causes of Carryover |
旅費精算での誤差
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通に十分留意
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