2015 Fiscal Year Annual Research Report
環境資源の「協治」成立のための社会経済・制度的諸条件の検討
Project/Area Number |
25340145
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三俣 学 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (10382251)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 協治 |
Outline of Annual Research Achievements |
海外のフィールド研究は、英国の都市(ロンドンエッピングフォレスト)と田園地域(コッツウォルズのクリーブヒルコモン)の比較を行うべく、フットパスやコモンズにアクセスする来訪者に対する対面聞き取り調査を実施し、いずれも400を超える回答と得ることができた。国内調査としては、前年度に引き続き愛知県豊田市稲武地区において、とりわけIターン者に着目しつつ研究を進めた。また、伝統的入会を継受して成立した神戸市北区の下唐櫃林産組合有林において、本研究代表者の三俣が所属する兵庫県立大学の三俣ゼミナールの学生とともに、森林の教育利用を通じた協治のあり方をアクションリサーチ的に試みた。 他方、研究成果の公表については、カナダ・エドモントン市で開催された第15回国際コモンズ学会にて、‘Institutional misfits’題するセッションをヂューク大学マーガレット・マッキーン氏とともに企画し、コモンズ論における過少利用問題および受益と負担の関係について議論した(6月26日)。また、一橋大学名誉教授・斎藤修氏の図書『環境の経済史』のブックセッションにコメンテータとして歴史学からのコモンズ研究の可能性と課題について、展開を図った(10月25日、第3回東アジア環境史学会世界大会)。 以上のように、申請段階に立てた計画の多くを実施できたものの、同計画書で明記していた「最終成果全体を総括する国際シンポジウム」の開催を実施することができなかったことは反省すべき点である。
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